「ザ・ローリング・ストーンズ結成50周年記念ウイスキー」発表

July 16, 2012

2012年7月12日。何の日かお分かりだろうか?

正解はこの日、ハードロックカフェ東京(六本木)にて明かされた…ローリング・ストーンズ結成50周年である。

すでにCMやイベントなどでご存知の方も多いと思うが、サントリー「ストーンズバー」シリーズでは現在ビール類・カクテル・ハイボールの3種類を発売中。ストーンズのアイコン「Lips & Tongue」を使用したデザインで爽快感のあるライトなアルコール飲料が発売から3週間でかなりの人気という。

しかしこのウイスキー・マガジン読者には物足りない情報と思えば、さにあらず…実は隠し玉のようにこの50周年記念日に発表されたウイスキーが「ストーンズバー〈ザ・ローリング・ストーンズ結成50周年記念ウイスキー〉」なのである。

商品説明に登場したサントリー酒類株式会社宣伝部長 和田龍夫氏がすでにこのコンセプト「大人の遊びゴコロ」を体現していた。全身「Lips & Tongue」尽くしの衣装(しかも自前とのこと)。しかし中味に「遊び」はない。結成年1962年のミズナラ樽熟成の山崎から、ストーンズの節目となる71年(「Lips & Tongue」マーク登場)、72年(アルバム「Exile on Main St.」リリース)、81年(「Start Me Up」リリース)の山崎蒸溜所のモルトに、90年(東京ドーム初来日公演)の白州モルトと知多グレーンをブレンドしているという徹底したこだわりよう。

さらにこれらの貴重な原酒をチーフブレンダー 福與伸二氏がブレンド。20年から50年熟成という幅のある原酒を見事にまとめ上げた。

「ヴィンテージを指定されてのブレンドは初めての試み。特に30年や50年熟成ともなれば眠っている樽は限られてくる」と福與氏は語る。40年を経てもなお良い、重厚で力強い山崎を軸に、ヘビーピートの白州、そして懐の深いグレーンそれぞれの個性を生かしたという苦心の賜物である。

テイスティングノート
色:赤みを帯びた濃い琥珀色
味わい:マンゴー、杏、レーズン、カカオ、エスプレッソ
後味:柔らかなスモーキー、伽羅香、深く長い余韻

トップノートは日本のオーク樽独特の透明感があり、それからシェリー樽からの濃厚さとレーズン、ダークチョコレートのほろ苦さ、控えめだがはっきりしたスモークが感じられた。ミズナラ由来のココナッツのような甘味もあり、骨太でありながらふと甘くなるロックのイメージに合うウイスキーといえる。

「いつまでも遊び心を忘れない大人」をターゲットにした「ザ・ローリング・ストーンズ〈結成50周年記念ウイスキー〉」は、ストーンズファンのみならずウイスキーファンにとっても、とても魅力的な中味に仕上がっている。モルトとグレーンの比率を訊かれ「通常は公表しないのですが」と前置きしながらも「モルトは69%… ロックにこだわりました」と言う福與氏の隠れた遊び心が職人の真髄を思わせた。

アルコール度数は50度、価格は50万円、150本限定「50」並びで、10月30日より一般酒販店にて販売の予定。クリスタル製の「Lip & Tongue」レリーフボトルは革ソファーを思わせる台座に座り、観音開きのボックスの扉が開かれる瞬間を待っている。

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