ドリンカーズガイド 台北

August 30, 2012

ウイスキーライヴ台北を9月22〜23日に控え、活気をみせる台湾のバー事情を紹介する。親日家が多い国としても知られ観光に訪れる人も多いのではないだろうか。ライヴにも参加できる日程の¥39,800のフリープランパッケージツアーにまだ空きがあるとのこと(H.I.S.にてWMJ調べ2012.8.30現在)なので、ライヴ参加を思い倦ねている方は今すぐチェック! ライヴを楽しみ、点心で小龍包を味わい、夜はバーに繰り出そう!
文:姚和成(ヤオホーチェン)キングフィッシャー

 

ここ台北で、ウイスキーはビジネスディナーのよき相棒だった。他のアルコール飲料と同様、食事中に楽しむのが一般的であるが、近年になってモルトウイスキーに熱い視線を送る人たちが増えている。

シングルモルトの魅力を学ぶ場所は2つ。ウイスキーバーかテイスティングクラブである。5年前までは輸入業者が消費者向けのイベントを開催するのは稀だったが、今ではブレンデッドウイスキーを含む活発なテイスティングイベントが催されている。

台湾におけるウイスキーの消費傾向は、飲まれているウイスキーの内訳を見ればわかるだろう。消費されるウイスキーのほぼ半分はモルトウイスキー(シングルモルトおよびヴァッテドモルト)であり、年間13万ケースを売るマッカランの名は誰もが知っている。ザ・シングルトン・グレンオードとグレンフィディックは、共に年間9万ケース。グレンモーレンジィ、グレンリベット、ザ・バルヴェニー、スプリングバンク、ブルイックラディ、ダルモアなども台湾ではよく知られた銘柄だ。また最近はピーティーなウイスキーがトレンドで、多くの人がアイラ島のウイスキーに夢中になっている。さまざまなオークションを通して、海外から希少なボトルを入手するコレクターも少なくない。

 

オンザロックが台湾流

台湾のウイスキー専門バーは日本ほど多くないが、だからといって素晴らしいウイスキーを楽しむ場所がないというわけではない。SMWS(ザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)が経営する「ウイスキーギャラリー」は、SMWSのオリジナルボトルを始め、オフィシャルとプライベート双方の優れたボトリング数百種類を常備している。併設されたシガールームも評判がいい。

お洒落な「ラリエールクール」もまた、ワイン好きやウイスキー好きでいつも混雑している人気店だ。セレクションも豊富で、店長もバーテンダーもウイスキーに造詣が深い。

台北初のウイスキーバーとして愛されているのが「モッド」である。セレクションは後発のバーに比べてやや小規模だが、それでも有名銘柄はすべて揃っている。

台湾では、ほとんどの人がウイスキーをオンザロックで飲み、暑い夏には特にそれが顕著である。いくら暑くても、日本のように水やソーダで割られることはほとんどない。ウイスキー専門のバーでは、日本同様に球状の氷か大きなロックアイスを使用するのが定番だ。オンザロック以外では、もちろんストレートで味わう人も多い。

ウイスキーは夕食と共に飲まれることが多く、大抵の料理はウイスキーとの相性がいい。台湾料理には、特にシェリーカスクのウイスキーがよく合うようだ。バーは夕食の後、深夜に向けてゆっくりと上質なウイスキーを楽しむための場所である。スナック程度のものをつまむが、その後にまた食事をとることは滅多にない。

下記に紹介するバーはいずれもライヴ会場と近く、ライヴ参加後に立ち寄るのもいいだろう。おすすめは、Whisky Galleryを間に挟む形で北のMod Public Barから回るか、南のL’arrière-courから回ると良いだろう。タクシーでの移動が便利だが、日本語や英語がわかるタクシードライバーは少ないようなので、地図をプリントして場所を伝えよう。宿泊ホテルのホテルカード(だいたいのホテルにはフロントに常備)を見せればホテルまで帰れるので、忘れないようにすると便利だ。

 

Whisky Gallery
大安区仁愛路四段112巷21号1F
ザ・ソサエティの台湾支部が経営するバー。台北随一の品揃えが嬉しい。

 

 

L’arrière-cour
大安区安和路二段23巷4号
店名は裏庭を意味するフランス語。豊富なワインのセレクションも有名。

 

 

Mod Public Bar
大安区仁愛路四段345巷4弄40号
古くからの愛好家が集う、ウイスキーバーの草分け的存在。

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