ウイスキー用語集―AからZまで【N・O】

May 16, 2014

ウイスキー用語を学ぶシリーズの最新版では、NとOを取り上げる

加水かニートか?
これが、ウイスキー初心者が「ウイスキーへの旅」に出立する際に、最も自問することだろう。そして、これは単純な答えのない質問でもある。

ウイスキー、特にモルトウイスキーをどのように楽しむかということについては、解説書の中のひとつの章を丸まる費やしたり、あるいはそのことだけを題材とする本が何冊も出ているほどだが、そのカギとなるのは「ノージング」だ。

この言葉は、偶然に飛び出してきたものではない。ウイスキーを十分に堪能するためには、鼻は不可欠な道具だ。ウイスキーを楽しむ中で、確かに重要な部分は味だが、鼻は口よりも敏感に感覚を伝え、何百もの異なる風味を嗅ぎ分けることが出来るのだ。

では、正しい香りの嗅ぎ分け法とは、どんなものなのか?

まずは、あまりに具体的に説明することは控えよう。ノージングとは、楽しむことだ。大学の研究テーマにすることではない。何よりも大切なことは、あなた自身に最もあった方法を見つけることだ。

その方法に「水を加える」ことが含まれる場合もあれば、含まれない場合もあるだろう。しかし、大半の人々が、ふたつの理由からわずかな水を加えているということは、特筆に値する。
ひとつは、高いアルコール度数によって鼻が麻痺してしまい、他の香りを感じることが出来なくなってしまうためだ。これは特に、カスクストレングスのウイスキーに当てはまる。
ふたつ目は、わずかな水を加えることにより、ウイスキーの分子構造が変化し、香りの成分が放出され、ウイスキーが「開かれる」のだ。誰かがこんなことを言っている。  「バラ園は、春の雨の後に最も香り立つ」と。

また、ウイスキーのノージングで重要なのは、正しいグラスを使うことだ。
タンブラーを使ってウイスキーを嗅ぐのは、非常に難しい。香りが広がるよう下の部分は膨らみ、僅かに先細りになっているものが良い。
グレンケアン・クリスタルは、ウイスキー業界お墨付きのテイスティング用グラスを製造しており、いくつもの蒸溜所が、それぞれ独自のグラスを製造してもらうために出資さえしている。

最後に、ノージングには正解も不正解もない、ということを忘れてはならない。
練習を積むほど香りを嗅ぎ分けることが出来るようになるものだが、これに固執しすぎるのも良くない。香りとは人によって異なるものであり、香りを感じることさえ出来れば、あとは好きなようにそれを表現すれば良いのだ。まず、ピートに伴う石炭酸(フェノール酸)や豊かなシェリーのように、わかりやすい香りから始めると良いだろう。

そして、Oからもひとつ用語を紹介しよう。「オーガニックウイスキー」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

オーガニック・ウイスキーは、化学肥料や除草剤、殺虫剤などを使わずに、あるいはそれに触れずに栽培もしくは製造された素材を使ったウイスキーと定義される。
つまり、「無農薬栽培された大麦を使う」というだけでは足りないのだ。樽に使われている木材も、オーガニックなものでなければならない
そしてソイル・アソシーエション(土壌協会)が定めた厳しい基準を満たすためには、オーガニックな木材で出来た樽を使い、またウイスキーづくりに使用される機器も全て基準を満たすよう無駄なものをそぎ落とし、洗浄されたものでなければならないのだ。

ベンロマックは、このような工程を経てオーガニック・ウイスキーを製造しており、リッチで、まるでオレンジリキュールのようなモルトをつくり出す。これは巧みな策略ではなく、優れたウイスキーとなっているがゆえに、費やされた多くの費用や手間が報われているのである。

用語集―【N・O】

ニューメイク・スピリッツ(NEW MAKE SPIRITS) ―ニューポット(NEW POT)とも
蒸溜を終えた高アルコールの蒸溜液。2度の蒸溜過程を経ると、大抵は60%台後半のアルコール度を持つ液体が誕生する。これに水が加えられ、最善のアルコール度数にしてから樽に詰められて熟成される。

ノーズ(NOSE)
ウイスキーの香り。

ノーザー(NOSER)
ウイスキーを嗅ぐ人。ウイスキーメーカーは、プロのノーザーを雇い、通常はアルコール度数を20%ほどにまで水で薄めたウイスキーをノージングし、製品の品質を検査する。

オーガニック・ウイスキー(ORGANIC WHISKY)
化学肥料や除草剤、殺虫剤などを使わずに、あるいはそれに触れずに栽培もしくは製造された素材を使ったウイスキー。本文参照。

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