カナディアンの至宝と呼ばれたライウイスキー【後半/全2回】

June 6, 2016


ライウイスキーの魅力を余すところなく伝える新商品「アルバータ プレミアム」と「アルバータ ダークバッチ」をテイスティング。国の至宝と称えられる理由が、いま明らかになる。

文:WMJ

写真提供:カナダ・アルバータ州政府

 

複数の原酒をブレンドして生み出すスムースな味わいがアルバータ蒸溜所の特長。比較テイスティングでそのやわらかな香りと味わいを分析する。

このたび日本で新発売されたアルバータ蒸溜所のウイスキーは2種類。そのひとつ「アルバータ プレミアム」は、ライ麦100%のウイスキーである。

「糖化時に大麦麦芽を使用することを除けば、原料の穀類にコーンも大麦も小麦もつかっていません。フレーバリングウイスキーも、ベースウイスキーも、100%ライ麦だけを使用した贅沢なウイスキーなのです」

ダン・トゥリオ氏がこの点を強調するのには訳がある。アメリカでもカナダでも、ライウイスキーは法定ぎりぎりのライ比率51%でつくられることが多い。フレーバーが豊かな反面、コーンよりデンプン量の少ないライ麦は、生産コストを押し上げてしまうからだ。

さらにアルバータ州のライ麦は生育期間が短く、少量のデンプンが分厚いタンパク質で保護されているため糖化がやりにくい。この難問を突破したのが、特許取得済みの糖化酵素だ。また木製のウォッシュバックでおこなう発酵工程でも、高効率の酵母が威力を発揮する。化学のイノベーションによって、アルバータ蒸溜所は早期からライウイスキー生産の効率を高めてきたのである。

「生育期間が短い分、アルバータ産のライ麦は風味が濃厚です。他地域のライ麦をバニラに例えるなら、アルバータ産のライ麦はチョコレート。それくらいコクのある風味がウイスキーでも表現されています」

トゥリオ氏は比較テイスティングの材料として、アメリカ産のライウイスキーを用意していた。ライ比率51%、新樽2年熟成のタイプで、新樽らしいスパイスや酸味が持ち味だ。

そんなごく一般的なライウイスキーの後にライ麦100%の「アルバータ プレミアム」を味わうと、まずは舌触りの滑らかさに驚く。上品な甘味があり、スパイスはあくまでやわらかで深い。新樽60%、古樽40%の比率でカスクの影響をマイルドに仕上げているのである。

「美味しいでしょう? これが私たち自慢の味です。アルバータへようこそ!」

トゥリオ氏が誇らしげにグラスを掲げた。1958年の発売以来、「アルバータ プレミアム」は地元アルバータ州で売り上げナンバーワンのスピリッツである。ジム・マーレイ氏の『ウイスキーバイブル』では、4年連続でカナディアンウイスキー・オブ・ザ・イヤーに認定され、国の至宝という最大級の賛辞が贈られた。その表現も、決して誇張ではないと今ならわかる。

 

大胆なブレンドから生まれた濃厚な風味

 

カナディアンウイスキーの伝道師ダン・トゥリオ氏(左)と、カナダ・アルバータ州政府事務所のデイビッド・アンダーソン駐日代表(右)。カナダ本国では定番のライウイスキーだが、意外なことに国外では日本市場が初めての公式展開となる。

もうひとつの新発売商品「アルバータ ダークバッチ」は、ライウイスキー91%、バーボン8%、シェリー酒1%をブレンドしたウイスキーである。

「シェリーとバーボンをブレンド? それでカナディアンウイスキーと呼べるの? 実はカナディアンウイスキーには、最低2年間の熟成がなされてさえいれば、内容の9.09%まではどんな原酒をブレンドしてもいいという規則があります。この自由度をうまく使ったクラフトスタイルのウイスキーがダークバッチなのです」

テーブルには、この「ダークバッチ」の原酒4種類が並んでいる。フレーバリングウイスキーは、ポットスチルで蒸溜し、新樽で6年間熟成したライ麦100%の原酒。なめらかでクリーミー、ライ麦と新樽由来のおだやかなスパイスがある。ベースウイスキーもライ麦100%だが、コラムスチルで蒸溜して古樽で5~12年熟成したもの。もともと度数94%なのでピュアなアルコールの力強さがある。ここから先が、カナディアン以外のブレンド要素だ。ひとつはライ比率が高いケンタッキー産バーボン。このバーボンを8%ブレンドするのは、既存のバーボンファンへ門戸を開く狙いもあるのだとトゥリオ氏は明かす。そして最後の原酒が、ペドロヒメネスのオロロソシェリー。加水していない度数38%の濃厚な味わいだ。これをわずか1%加えるだけでも、ウイスキーは濃い赤銅色に染まり、シェリー特有のアロマが授けられる。

アルバータ蒸溜所は、北米最大規模を誇るライウイスキー蒸溜所。ライ麦のフレーバーをしっかりと引き出しながら、新樽と古樽を組み合わせたカナディアンらしいマイルドな仕上がりが特長である。

ひととおり原酒を理解した上で、「アルバータ ダークバッチ」を味わう。この重層感は驚きだ。シェリーの甘味を感じるやいなや、舌の両側をライ麦のやわらかなスパイスがくすぐる。バニラ、プラム、カシスなどの風味が、複雑な深みを感じさせながら余韻を持続させる。

「力強い風味のウイスキーがほしいという要望に応えたウイスキーです。おかげさまで、コアなファン、バーテンダー、ミクソロジストたちの評価は高く、オールドファッションドなど禁酒法スタイルのカクテルにもあうと評判です」

ライ100%の風味を活かしたウイスキーづくりに加え、この約9%の自由から革新的なフレーバーを提案できるのもカナディアンウイスキーの魅力といえるだろう。トゥリオ氏は、アルバータのウイスキーを外国で販売するのは日本が初めてなのだと明かした。

「これまでの調査から、アルバータのスムースな味わいが日本の皆様の嗜好にぴったりだと確信しています。カナディアンウイスキーは、楽しくくつろぎながら、友情を深めて人々の絆を深めるためのウイスキー。ぜひ大切な人と一緒にじっくりと味わってください」

 

アルバータ プレミアム

容量750ml 希望小売価格1,800円(税別) 度数40%

アルバータ ダークバッチ

容量750ml 希望小売価格2,800円(税別) 度数45%

※価格は販売店様の自主的な価格設定を拘束するものではありません。

アルバータ蒸溜所のユニークなウイスキーや、その楽しみ方を紹介した公式サイトはこちらから。

 

 

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