“Rosy Sensation” フォアローゼズ 125周年記念ボトル登場【後半/全2回】

December 9, 2013

前半では仙台で行われたカクテルコンペティションから、フォアローゼズの愉しみ方をご紹介した。後半では125周年というアニバーサリーイヤーとその数量限定リリース品について伺う。

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――先日のコンペティションではこの「スモールバッチ リミテッドエディション 125周年記念ボトル」をテイスティングに出されたと伺っていますが、その評価はいかがでしたか?

ライアン氏 とても高い評価をいただきました。「どうやったら手に入れられるのか」というご質問が多かったですね!
今までもいろいろな限定ボトルを出していますが、このボトルに関しては125周年ということもあり、我々にとって非常にエキサイティングな取り組みでした。しかし我々以上にお客様は楽しみにしていて下さっていて、通常の限定品の2倍ほど本数をご用意したのですが、それでも世界的には不足してしまいました。

――このボトルには18年熟成の原酒と13年熟成の原酒が使用されているとのことですが、バーボンではかなり長い熟成ですよね。ブレンディングに苦心されたのではないでしょうか。

ライアン氏 バーボンに限らずウイスキーファンには、熟成年数が長いほど良いと思われている方が多くいらっしゃるかと思います。しかし、我々は長ければ良いというものではなく、熟成のピークを「管理」することが大切だと思っています。バーボンでは大体8~10年が熟成に適した年数と言われています。そのなかで、18年まで良い状態のまま熟成を進められる樽があり、細かくチェックしてタイミングを見極めながらコンディションを保つことが大変でしたね。我々は数多くそのような樽を持っておりますので、今後も同じように様々な熟成年数の樽をブレンドして、素晴らしい商品を出せるのではないかと思っています。

――なるほど。私も試飲させていただきましたが、確かに層の厚い熟成感がありながら、フォアローゼズ特有の華やかさが強く感じられました。非常に複雑な味わいですね。

ライアン氏 我々は決まった熟成年数ではなく決まった味わいにターゲットを絞っています「スムース&メロウであるかどうか」がそのターゲットです。今回の記念ボトルについては、偶発的にそれが18年熟成だったのです。そしてそれがお客様に「125周年の記念ボトル」としてお喜びいただけるクオリティであったことはとても嬉しく思っています。

――そうですね、とても特別で「手に入れたい!」と思われるボトルだと思います。
また、本国の方では何か記念のイベントやキャンペーンなどをされたのでしょうか?

ライアン氏 ええ、社内では大きな式典を行いました。やはり大きな節目ですからね。会社が少しずつ成長し規模も大きくなりつつあるので、スタッフの気持ちが一つになるような式典にしました。社外に向けては「イヤー・オブ・トースト」というキャンペーンをしています。アメリカでは乾杯の前に必ず一言添える習慣がありますが、その一言をウェブで募集しています。家族や友人同士など、その楽しい場にふさわしい特別な言葉を応募していただいています。その中から最終的に選ばれたひとつの言葉が、来年のシングルバレル・リミテッドエディションに記載されます。125周年にこのようなハイクオリティのボトルを出せたことも大きいですが、このキャンペーンでお客様と喜びやお祝いの気持ちを分かち合えるのは嬉しいですね。

――では、最後に日本のウイスキーファンに向けてメッセージと、もし何か伺えるようでしたら秘密をひとつお聞かせいただければ嬉しいのですが。

ライアン氏 うーん、秘密!? 我々はご存じのとおりマッシュビルやつくり方については公表していますし、かなりオープンな蒸溜所です。昔ながらの設備で伝統的なつくり方を守っていますし。その味わいの秘密を探りたいと思われるようでしたら、ぜひ一度蒸溜所にお越しいただいて、実際に見て、雰囲気を感じていただければ、お分かりになるんじゃないかと思います。ぜひたくさんの日本の方に来ていただきたいですね。

――ありがとうございました。

インタビュー中繰り返された「スムース&メロウ」、その一言に込められているのはただ味のことだけではない。フォアローゼズを取り巻く様々な要素…楽しみ方や雰囲気、その瞬間の想い出やボトルの佇まいまで、全てが豊かで滑らかだ。

125年前と変わらぬ想いを込めて、ストイックで隠し事のないケンタッキアン(ケンタッキー人)たちが昔ながらの方法でつくってくれた特別なバーボン…フォアローゼズが巻き起こした125年目の「バラ色の旋風」は世界中を吹き抜けて、グラスを傾ける人の心にあたたかく灯をともす。あの人にどんな乾杯の言葉を贈ろうか、そんな贅沢な宿題とともに。

 

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