ジャック ダニエルが150周年記念ボトルを限定発売

November 21, 2016

テネシーウイスキーを代表するジャック ダニエルは、今年で創業150年。マスターディスティラーの情熱が結実した、特別な記念ボトルをじっくりと味わおう。

文:WMJ

 

サトウカエデの炭でスピリッツを濾過する「チャコールメローイング」はテネシーウイスキー独特の工程。スピリッツが磨かれてアロマや甘味を増幅させる。

テネシー州リンチバーグを本拠地とするジャック ダニエルは、1866年に連邦政府に登録されたアメリカで最も歴史のある蒸溜所として知られている。今年でちょうど創業150周年というアニバーサリーを記念して、このたび「ジャック ダニエル 蒸溜所創業150周年アニバーサリー」が発売された。

この記念ボトルをつくるにあたり、さまざまな可能性を模索したと語るのはマスターディスティラーのジェフ・アーネット氏。原料比率を変えたグレーンビルの採用も検討したが、結局はオリジナルのレシピに敬意を払うことが重要だと感じ、ジャック ダニエルの名声を確かなものにした「ジャック ダニエル ブラック(Old No.7) 」を土台にしたのだと経緯を明かしてくれた。

「自前の樽工場を持つ強みを活かすため、革新的な樽を使用しようと考えました。トーストの時間を長くとり、チャーは短時間で切り上げた特別な新樽です。あらかじめじっくりと熱を通すことで、樽内部にあるより多くの糖分を変質させ、樽が本来持つ深く豊かな風味を最大限に引き出しました。チャーが手作業だった時代、時間をかけて内側を焼いた樽に近いスタイルです。」

つまりこの新ボトルは、150年前にジャック・ダニエル氏が使用したであろう樽を、現代風に表現したスーパープレミアムなテネシーウイスキーなのである。樽詰め時の度数を通常の62.5度から50度に下げ、瓶詰め度数も50度にした。50度という低い度数で樽詰めを開始するため、より多くの樽が必要とされるが、ゆっくりと熱を入れた特別な樽の長所がしっかりと薄められずにボトルまで届く。

「もともと甘味のあるジャック ダニエルは、ゆっくりトーストした樽との相性が最高だろうと考えたのです。熟成途中で試飲して、素晴らしい出来になると確信しました。もっとたくさん仕込めばよかったと悔やんでいますが、今はこのボトルをぜひ多くの方に味わっていただきたいと願っています」

熟成場所にもこだわった。それは日照時間が長く、寒暖の差が大きいことからプレミアムな原酒が育ち、コイヒルという丘に建つ熟成庫。記念ボトルは、この特別な貯蔵庫にある「天使のねぐら」の異名を持つ最上階で熟成されている。

 

テイスティングでプレミアム感を体験

 

表面を強火で焦がすチャーと、木の内部を弱火で変質させるトーストは異なる。150周年記念ボトルはトーストに長い時間をかけることで樽内の糖分を変質させ、深く豊かな風味を最大限に引き出した。

「ジャック ダニエル 蒸溜所創業150周年アニバーサリー」の原料は、「ジャック ダニエル ブラック(Old No.7) 」と同様である。仕込み水は、銘水と名高い敷地内のライムストーンウォーター。グレーンレシピもトウモロコシ80%、ライ麦8%、大麦麦芽12%という伝統の比率だ。ひとたび蒸溜が終わると、「チャコールメローイング」という秘伝の工程が待っている。メープルシロップの原料にもなるサトウカエデの木を焼いて作った炭で、スピリッツを濾過して「磨き」をかけるのである。この工程が、同じアメリカンウイスキーでもバーボンとは異なるテネシーウイスキーの個性を決定づけている。

ブラウン・フォーマンでブランドマネージャーを務める奥村龍太郎氏が、記念ボトルのテイスティングを手引きしてくれた。テイスティング用の原酒は4種類。面白いのは、2種類ある熟成前の原酒だ。どちらも透明な液体だが、チャコールメローイングを施す前後の変化が比較できる。メローイング前のスピリッツは、舌にまとわりつくような穀物の感触があり、オイリーかつヘビーだ。それがメローイングの後では、香りにソフトなアロマが増し、穀物っぽい刺激や苦味が吸収されて甘味がふくらんでいる。これこそが、ジャック ダニエルのスムースで豊かな味わいをつくる土台なのである。

残る2つのグラスは「ジャック ダニエル ブラック(Old No.7) 」と 「ジャック ダニエル 蒸溜所創業150周年アニバーサリー」。まずは定番のブラックを試飲する。ミディアムボディで、軽くスパイスの利いたバニラやキャラメルのアロマがバランスよくまとまっている。

特別な樽と貯蔵庫で熟成したアニバーサリーボトルは、ブラックよりもさらにダークで赤みがある。香りはいっそう奥行きを増して濃厚。アプリコットなど、熟したフルーツの甘い感触が引き立っている。口に含むと、50度のアルコールを感じさせないほどにやわらかい。リッチかつクリーミーで、厚みのある余韻がいつまでも続く。ジェフ・アーネット氏がフレーバーを解説する。

「この記念ボトルは、ジャック ダニエル特有のキャラメル、オーク、バタースコッチ、トフィーの風味も感じられ、深くなめらかな余韻が残ります。グラスを上げたときに、思わずはっと驚くことでしょう」

創業者のジャック・ダニエル氏がモットーとした「毎日、最善を尽くす」という方針が、150年の時を越えて結実したウイスキー。全世界で18万本、日本市場では12,000本の限定発売となる。

 

 


ジャック ダニエル
蒸溜所創業150周年アニバーサリー

容量:1,000ml 

アルコール分:50%

価格:オープン価格(参考価格:15,000円)

販売予定数量:12,000本

 

WMJ PROMOTION

 

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