「サントリーウイスキー角瓶 復刻版」発売

December 17, 2014

来年2/17、1937年発売以来世代を超えて愛される「角瓶」の復刻版が発売される。

亀甲模様に黄色いラベルの「角瓶」…ハイボールでもおなじみの、国産ウイスキーの代表的銘柄といえるだろう。この「角瓶」が初めて世に出たのは1937年10月8日。70年以上の時を経て復刻版が来年発売されるにあたり、少しその「角瓶」の歴史を紐解いてみよう。

鳥井信治郎氏率いる寿屋(現サントリー)は、1923年 京都郊外・山崎の地に日本初のウイスキー蒸溜所の建設に着手し、1924年 製造を開始した。
当然のことながら、蒸溜が行われても原酒は熟成しなければ製品化できない。原酒をつくってもつくっても、商品を「ウイスキー」として販売することはできないのだ。これは事業としては大変に苦しい時期であり、現在でも世界のウイスキー業者が新蒸溜所を立ち上げる際の大きな壁となっている。
殊に日本で初めての蒸溜所…樽に詰めた原酒がどう熟成し、どのような個性を持つウイスキーになるかは全く分からない、不確定要素の多い挑戦だった。
様々な難題を乗り越えて、ついに1929年に「白札」、翌1930年に「赤札」を発売。しかし庶民にはまだ高根の花であったウイスキーは思うようには売れなかった。スコッチを意識したスモーキーフレーバーに馴染がなかったという理由もある。
しかし鳥井氏は同社の当時の主力商品である赤玉ポートワイン(現:赤玉スイートワイン)を開発した自らのブレンディング能力に磨きをかけ、研究をつづけた。その開発に没頭する間にも原酒の熟成は着実に進み、貯蔵量も充実していった。
そのなかでついに鳥井氏の「これや!」という渾身のブレンドが誕生した…それが「サントリーウイスキー12年」、その独特なボトルの形状から「角瓶」という愛称がつき、後に正式に商品名となった。

それから70年以上にわたって愛されている理由は、ベースとなる香りと味を守りつつも、時代の変化に合わせて少しずつブレンドを進化させているためだ。日本人の味覚に合わせてその時代の食文化を反映し、いつの時代も飲み飽きない微調整を加えながら、近年はハイボールを想定してソーダで割っても味が崩れないようブレンドされている。世界的なアワードで受賞を重ねる「響」や「山崎」と同様、細やかで巧みなブレンディングの技が随所に生かされているのだ。

現在の「角瓶」のブレンドは、山崎のバーボン樽原酒をキーモルトに、ミディアムタイプのグレーンでバランスを取っている。甘やかな香り、厚みのあるまろやかなコクが特長だ。
「角瓶」のラインナップには、白州ホグスヘッド樽原酒をキーモルトとしてライトタイプグレーンでまとめ上げた淡麗で辛口な「白角」山崎パンチョン樽原酒とヘビータイプグレーンの重厚かつ芳醇な味わいの「角瓶<黒43°>」がある。
そして昨年5月に発売された「プレミアム角瓶」はシェリー樽原酒やワイン樽原酒など、こだわりのモルト原酒を使用したプレミアムタイプだ。
様々な個性を持つ兄弟たちが、「角瓶」ブランドをしっかりと支えている…一つのブランドの中でブレンデッドウイスキーのあらゆるスタイルが揃う稀有な例ではないだろうか。

このような豊富なラインナップを誇り、さらに時代に合わせて少しずつ進化を重ねた「角瓶」。
もちろん現代の私たちの舌には最も馴染みやすい味わいになっている筈ではあるが、こうして歴史を振り返ってみると、鳥井氏の開発した当時のブレンドも味わってみたくなる。ジャパニーズウイスキーの評価が高まっている今だからこそ、そのルーツを再現した「復刻版」の登場は非常に興味深い。

2015年2月17日に発売となる「サントリーウイスキー角瓶 復刻版」は、発売当初の中味をブレンダーがテイスティングし、当時の味わいを再現したものである。
ラベルも当時と同様、「KOTOBUKIYA」の文字が大きく掲げられている。アルコール度数は43%。(現行商品は40%)複雑で奥行きのある香りとフルボディのしっかりした味わいだという。

鳥井氏が万感の想いを込めて世に送り出した「日本人がつくった日本人のためのウイスキー」が70年の時を超えて今蘇る…一つのボトルに込められたロマンを感じながら、ぜひお試しいただきたい。

【商品詳細】

商品名

サントリーウイスキー角瓶43度 復刻版450ml

アルコール分

43%

容量

450ml

発売日

2015年2月17日(火)

発売地域

全国(数量限定)

希望小売価格(税別)

1,300円

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