「ノブ クリーク ライ」新発売

May 31, 2015

“禁酒法以前の力強いウイスキーの復刻”がコンセプトの「ノブクリーク」。6/2に発売となる新商品とともに、そのこだわりの製法を紹介する。

「ノブ クリーク」は、ビーム家6代目 ブッカー・ノー氏が、つくりと味わいへの自らの理想と信念を貫いて誕生させた「クラフトバーボンシリーズ」のひとつである。
このシリーズのラインナップは「ノブ クリーク」「ブッカーズ」「ベイカーズ」「ベイゼルヘイデン」…それぞれのブランドに異なるこだわりとコンセプトがある。6年以上の長期熟成は共通だが、度数熟成庫(9段のラック式)での貯蔵位置によって変化をつけるなど、マスターディスティラーの樽の選定技術が非常に重要となっている。
アメリカンウイスキーの頂点に立つプレミアムバーボン…それが「クラフトバーボンシリーズ」なのである。

そのなかでも「ノブ クリーク」は特に長期熟成の原酒を使用し、100プルーフ(アルコール度数50%)でボトリングしたアイテムが揃う。ブッカー氏が禁酒法以前の“本来あったバーボンの姿”を目指して復刻したブランドだ。
ちなみに「ノブ クリーク」とはケンタッキー・ヒルにある小川の名前。ケンタッキー出身の第16代大統領リンカーンが幼少期を過ごした土地であり、この力強いバーボンにアメリカの最も偉大な大統領の育った地の名を冠した。

改めて、稀代の悪法として知られる禁酒法についてご説明しよう。
禁酒法は1920年から1933年まで、アメリカでの消費のためのアルコールの製造、販売、輸送を全面的に禁止した法律である。これにより、ウイスキーメーカーに限らず、アメリカ国内のアルコール産業は壊滅的なダメージを受けた。しかし規制によって違法な酒の流通、無許可での製造販売が逆に激増し、最終的には撤廃されたことはご存知の方も多いことと思う。
ビーム家の蒸溜所もこの時代には閉鎖に追い込まれた。しかしこの期間も、ブッカー氏の祖父ジェイムズ・B・ビーム氏(4代目)自家培養した創業以来の酵母を守り続けていたという逸話もある。再開当初は原酒不足に悩まされながらも、熟成期間に妥協することはなかったという。バーボンの暗黒時代であり、その影響は世界的に広がっていたため、アメリカンウイスキーだけでなく世界のウイスキーの歴史を振り返るうえで、禁酒法は様々な影響を残している。

その禁酒法が施行される前の時代のバーボンが力強かったのには、確固たる理由がある。ブッカー氏が蘇らせようとしたその“本来のバーボンのあるべき姿”とはどんなものだったのだろうか?

実はアメリカには、禁酒法が施行される前…1897年発令の「ボトルド・イン・ボンド法」というウイスキーの製法を厳格に定めた法律があったのだ。
この法が定められる以前、アメリカ国内ではウイスキーを水で薄めた粗悪品や混ぜ物をしたイミテーションが出回り、市場の混乱を招いていたためだ。
その内容は非常に厳しく、「1蒸溜所で1年のうちの1シーズンだけ蒸溜したものを樽詰め」、「政府税官吏監督のもとで4年以上熟成」、「アルコール度数50%以上で瓶詰めする」というもの。
この条件を満たした製品に限り「ボンデッド」、または「ボトルド・イン・ボンド」と名乗ることができた。つまり、「ノブ クリーク」はこの「ボトルド・イン・ボンド」を再現したものなのだ。
通常販売されているアイテムとしては、「クラフトバーボンシリーズ」最長の9年熟成「ノブ クリーク」、さらにその中で厳選された1樽をボトリングした「ノブ クリーク シングルバレル」がある。

今回発売される「ノブ クリーク ライ」は、その力強さ溢れるフレーバーと、アルコール度数50%(100プルーフ)というコンセプトをライウイスキーで体現したアイテムだ。
ライウイスキーとはバーボンと同じ製法でつくられるが、原料に51%以上ライ麦を使用したウイスキーのこと。バーボンよりも深いコクと、ライ麦由来の香り高い独特のスパイシーなフレーバーが特長だ。

こちらも「ノブ クリーク」シリーズ共通のフラスクボトルを採用。
独特のボトルデザインは禁酒法時代を物語っている。当時、人々はブーツに隠しやすい形状のこのボトルに酒を入れて持ち歩いた。さらにラベルの紙質やデザインは、新聞紙にボトルを包んで持ち歩き、取締官の目を盗んで飲んでいたことに因んでいるという。

「ジムビーム」はスタンダード品であっても、法律で定められた2年を上回る4年超の熟成を行う。「クラフトバーボンシリーズ」では更なるこだわりを見せ、貯蔵庫内での熟成樽の位置まで厳密に考えられている。
ビーム家7代目マスターディスティラー フレッド・ノー氏は「ウイスキーづくりに妥協は許されない。特にクラフトバーボンと呼ばれる長期熟成のプレミアムな製品には、自分の感性を信じつつも、より高いレベルの品質を生むようにと全霊を傾注している」と語る。

ビーム家の200年のクラフトマンシップが、新たに世に出す「ノブ クリーク ライ」。「ノブ クリーク」ブランドの新定番アイテムとして、そのパワフルでスパイシーなフレーバーをぜひお試しいただければと思う。現代の日本に禁酒法が敷かれていないことに感謝しつつ…乾杯!

商品名

ノブ クリーク ライ

発売地域

全国

発売日

2015年6月2日(火)

容量

750ml

アルコール分

50%

希望小売価格(税別)

4,600円

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