「竹鶴ピュアモルト生チョコレート」誕生

September 6, 2014

ニッカウヰスキー「竹鶴ピュアモルト」を使用した生チョコが誕生した。発表会の様子をレポート。

今月29日、ついにNHKの連続TV小説にて竹鶴政孝・リタ夫妻をモデルにした「マッサン」が放送開始となる。竹鶴氏にまつわるニュースをよく目にするようになり、ウイスキーファンとしては嬉しいところ…皆さんも放送を心待ちにしておられることと思う。
そんな中、「竹鶴ピュアモルト」を使用したチョコレートが発売されるとのお知らせをいただき、発表会にお邪魔した。

今回このチョコレートを発売する株式会社シルスマリアは、「生チョコレート」を生み出した「生チョコ発祥の店」とのこと。神奈川県平塚に本店を構えるこの老舗洋菓子店では、こちらの竹鶴を使用した生チョコ以外にも、様々なバリエーションのチョコレートを販売している。
そもそも「生チョコ」の定義とは何かをご存知の方は少ないのではないだろうか? 記者もその一人だった。発表会での説明によると、生チョコレートとは、「チョコレート生地60%以上にクリーム10%(うち水分10%)以上を練り込んだもの」。
柔らかな食感とクリーミーさが際立つ高級感溢れるチョコレートで、お酒との相性も良いため、軽いフードメニューとして扱っているバーも多いだろう。

竹鶴ピュアモルトを使用したチョコレートが誕生した経緯はとてもユニークだ。
同社はバレンタイン向けとして、昨年2月に芋焼酎「富乃宝山」を使用した「焼酎生チョコレート」、今年2月に大吟醸「国士無双」を使用した「日本酒生チョコレート」を発売。お酒好きの男性向けにプレゼントとして評判は良かったが、「やはりチョコレートには洋酒を」とのお客様の声を受け、様々なウイスキーやブランデーを組み合わせて試作されたそうだ。
その結果、「竹鶴ピュアモルト」の味わいや香りがチョコレートと相性が良く、さらにその「日本のウイスキーの父」としてのストーリーが「日本初の生チョコ」というシルスマリアのイメージにぴったりだったことが決め手となった。
これまでニッカウヰスキーとしては「竹鶴」ブランドを使用した商品開発は行ってこなかったという。しかし今回はニッカウヰスキー創業80周年、竹鶴氏生誕120周年のアニバーサリーイヤーというタイミングに加え、シルスマリアのコンセプトやチョコレートの出来映えに「これならば」と納得されたそうだ。

発表会では、ニッカウヰスキー株式会社主席ブレンダー 森 弥氏と、株式会社シルスマリア製菓長 椎名 広充氏が登場した。
森氏は「竹鶴ピュアモルト」の特徴とニッカのウイスキーづくり、竹鶴ブランドのストーリーを説明。
「創業者の竹鶴氏は、日本人がウイスキーをもっと楽しめるようにとこだわり抜いた人。その名を冠したブレンデッドモルトである『竹鶴ピュアモルト』はコク感がありながらも飲みやすく、華やかな特徴を備えている」と語る。
椎名氏はウイスキーをたっぷりと入れたチョコレートを開発するにあたって苦心した点を、
「ただウイスキーを使った美味しい生チョコというだけでなく、ストーリーを含めて心に残るものを作りたかった。トリュフやコーティングしたチョコレートと違い、生チョコは、ウイスキーをたくさん入れれば良いものができるという訳ではない。ウイスキーのコクと華やかさに近い口どけや後味を再現することに苦心した」と、ウイスキーづくりの先人に敬意を表しながら、同じものづくりのプロとしてのこだわりを語った。

実際に試食してみると、口いっぱいにウイスキーの芳醇な香りが広がる。樽香を思わせるほろ苦さを、柔らかくとろけるクリーミーさが包み込んでいる。
後味にはアルコール感のある華やかなフィニッシュが残り、まさにウイスキーを口にした時のよう。一粒で生チョコとウイスキーの良さを同時に楽しめる、見事な味わいだ。

他にも試食させていただいたチョコレートはユニークなものが多く、スタンダードな生チョコ以外にもホワイトチョコと苺の生チョコ、抹茶やゴマなど和の食材を使用したものなどバラエティ豊か。

特にウイスキーに合わせるとすれば、「アールグレー」は紅茶のタンニンとベルガモットのシトラス感もしっかりと感じられ、ハイランドモルトに合いそうだ。
甘さ控えめでカカオの風味がぎゅっと詰まった「シルスビター」はシェリー樽熟成のモルトや熟成年数の長いブレンデッドの重厚さとうまく融け合うだろう。生チョコレートは口どけが良いので、常温で味わうウイスキーとは最高のペアリングができる。いろいろなチョコレートとウイスキーの組み合わせが楽しめそうだ。

「竹鶴ピュアモルト生チョコレート」は昨日9/5(金)より神奈川県内の3店舗とウェブショップで発売開始。ぜひお試しを。

「竹鶴ピュアモルト生チョコレート」販売概要

発売日:2014年9月5日(金)
店舗:シルスマリア平塚本店、馬車道店、MARK IS みなとみらい店、及びウェブショップ
価格:16粒入り1,500円(税抜)
問い合わせ先:平塚本店(0463-22-2181)

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