「Talisker Blue Ocean Lounge」 レポート

January 25, 2013

美しいイルミネーションに彩られた東京スカイツリー。今最も話題を集めるこの場所で12月12日に開催された「Talisker Blue Ocean Lounge」に訪れた。タリスカーと夜の海の不思議な体験をレポートする。

Talisker Blue Ocean Lounge事務局から届いた青いアクリルの招待状には「青いものを身につけてご来場下さい」という一文があった。不思議なドレスコードだと思いながらも青いシャツで出かけると、開場を待つ招待客はそれぞれ青いドレスや青い帽子、青いバッグなどそれぞれブルーのアイテムを身につけている。
なるほど、来場前から我々に「海へ潜る」心の準備をさせてくれていたのだなと思う。イベントの前からワクワクさせてくれる面白い試みだ。

すみだ水族館の中へ入ると、まずイヤホンつきのオーディオガイドを手渡された。これを装着してみると、ラジオ番組のように聞こえるイベントのトークが流れてきた。プロ・フリーダイバーの篠宮龍三氏が、静かなトーンで海やタリスカーについて語っている。ひとつひとつの言葉が耳に優しく届き、波間に浮かぶような、時に深く沈み込むような、絶妙の雰囲気に包み込まれる。
そしてまず目に飛び込んできたのはアクアリウムに浮かび上がる新パッケージのタリスカー。ハッとするような美しいアクアブルーの光景に、来場者はしばし足を止めて見入っていた。

ウェルカムドリンクのタリスカーソーダを飲みながら、少しずつ蒼い海の世界を進んでいく。
様々なクラゲが舞うように泳ぐ研究室のような水槽から、シロワニが横切る大水槽まで、館内を歩くだけでも楽しい。ペンギンを間近で見られるエリアでは、夜の海辺を歩いているかのような臨場感。
うとうとと眠りに誘われるオットセイたちが、スコットランドの島々の海岸でよく見られる、岩の上のアザラシの姿を思い出させてくれた。こんな東京の最新のスポットでスコットランドの島を懐かしく思い出すなど、誰が想像できるだろう。
その光景の中に静かに、しかし確かな存在感でタリスカーのボトルが各所に佇む。そこへイヤホンから流れてくるブランドストーリー。来場者はすっかりその世界観に引き込まれ、次々に現れるサプライズを楽しんでいた。

  

そしてメインとなるテイスティングコーナーでは、なんと25年や30年も無料で提供されていた。タリスカーソーダで潮の香りを満喫した後に、どっしりとした安定感を備えた25年が心地よい。スカイ島の風と煙を、長い時間をかけてウイスキーに落とし込んだ、贅沢な味わい。液体にぎゅっと詰められたその香りがグラスの中で少しずつ少しずつ解放されていく。まさに今回の新パッケージのコンセプト「MADE BY THE SEA」、海から生まれたモルトだ。

来場者の方に話を伺ってみた。すみだ水族館の抽選で今日の招待客となり、これまでにタリスカーを飲んだことはなかったという若いカップルだ。「ハイボールは飲んだことがあったけど、これは全然違いますね。ロックにも挑戦してみましたが、ウイスキーって美味しいんだなと思いました。もっと詳しくなりたいです」と20代の男性らしい意見。
女性は「大人の味ですね。ちょっと私には強いんですが、これでカクテルを作ったらどんな味になるのかなと思います。ラベルもお洒落ですね」と話してくれた。タリスカーとの出会いが新しい扉を開いたようだ。今後少しずつでも、ウイスキーの世界を楽しんでほしいと思う。
タリスカーを愛飲している男性は「30年が飲めるなんて感激です。この塩っぽさとアクアリウムの眺めが一体となって普段より酔いそう」、素敵なブルーのドレスの女性は「水族館でウイスキーって新鮮ですよね。また違う美味しさです」と嬉しそうに答えてくれた。

会場の外へ出て見上げたスカイツリーは、江戸の雅をイメージした紫色に美しくライトアップされていた。
ふっと、翼を大きく広げた鳥の形をした島「スカイ島」が、東京の宙に突き出た「スカイツリー」に舞い降りたような気がした。もちろんスペルはちがうものの、「スカイ」というひとつの言葉で、全く違うものが結びついた―「空」がつないだふたつの海、といったら大げさだろうか?
いや、きっと今日ここへ訪れた人にはスコットランドの海が見えたはずだ。タリスカーを心ゆくまで楽しんで家路につく人たちの笑顔が、それを物語っていた。

 

 

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