132号 テイスティングコメント【前半/全2回】

January 28, 2016


from Issue 132

テイスティング:クリス・グッドラム、ジョエル・ハリスン


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってRecommendedもしくは Editors Choice が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

コンパスボックス ディス・イズ・ノット・ア・ラグジュアリー・ウイスキー    53.1%

  • 蒸溜所名: コンパスボックス・ウイスキー・カンパニー
  • 地域: スコットランド
  • 価格帯: 121-180
  • 入手可能場所: 全世界

クリス・グッドラムSCORE9.0

香り
美しいバランスに恵まれた、エレガントで成熟した香り。コニャックを思わせるドライフルーツ、メープルシロップ、土のようにダークな茶葉の匂い。おがくずを思わせるオーク香がゴージャスに構え、そこにライムやレモンの香りが爽やかさを加える。かなりフルーティーで、トロピカルなメロン、アンズ、キウィの感触がある。時間が経つにつれてバター、ミント系のハーブ、スパイスが現れる。
かなり爽やかな柑橘を感じさせる味。徐々に立ち上がるハチミツ風味と、粉っぽいオーク風味もある。香りと同じように、アンズ、メロン、グアバを感じさせるトロピカルな感触。粉っぽくてやや苦いタンニンが、アルコールの勢いを借りながら舌の中央を突き抜けてくる。それでも口中を圧倒する訳ではなく、まさに絶妙なバランスを保っている。
フィニッシュ
余韻は長く、爽やかで、くっきりとしてハーブを感じさせる。クリーミーなオークのバニリンがやや禁欲的な感じだが、粉っぽいスパイスがそれを埋め合わせようとしている。
コメント
実にお見事。厳しすぎる意見を言わせてもらえるなら、フィニッシュにもう少しだけ甘味があればさらに好みだった。

ジョエル・ハリスンSCORE9.3

香り
ブレンデッドウイスキーの構成は、釣り合いとバランスにかかっている。パンドラの箱を開いてしまうようなタイプは望まない。このウイスキーは、アルマニャックのようなイチジクと焼いたココナッツのような構成だ。リッチでバランスがよく、極めて魅力的。
大柄でオイリーなウイスキー。かすかなスモークの印象、熟成したラムの甘味、柑橘の皮の風味をわずかに入れたレモンドリズルケーキの厚切り。アンズ風味がやってきて、その後でスモークが横切っていく。
フィニッシュ
力強く、あたたかで、豊かなフィニッシュ。ハチミツと無塩バターを塗った、分厚いホールグレーンのトーストのような余韻。
コメント
ブレンドの構成は、どんよりとした曇りの日のような結果に終わることも少なくない。灰色で、じめじめして、憂鬱な感じだ。このウイスキーはそんな雲を切り裂いている。こんな品質の商品が生み出されることこそが、ブレンドの不思議を表している。



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