137号 テイスティングコメント【前半/全2回】

November 7, 2016


from Issue 137

テイスティング:クリス・グッドラム、ジョエル・ハリスン


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってRecommendedもしくは Editors Choice が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ベンロマック 35年  35年  43.0%

  • 蒸溜所名: ベンロマック蒸溜所
  • 地域: スペイサイド
  • 価格帯: -181
  • 入手可能場所: 全世界

クリス・グッドラムSCORE8.9

香り
濃厚で粉っぽい香り。成熟したオロロソに、オレンジの皮がまぶされている。かすかに糖蜜のようなスモーキーでプルーンを思わせる香りに、焚き火の燃えさし、青っぽいナッツ、ショウノウ、深煎りコーヒー、チョコレートオレンジが寄り添っている。
ダークハニーと糖蜜を感じさせる、やわらかで芳醇な味。焼けた木、スモーク風味、青っぽいナッツの感触もわずかにある。酸化したフルーツの特徴がたくさんあり、かすかに苦いチョコレートのようなタンニンと木のスパイスを感じる。
フィニッシュ
余韻は長く、くっきりとしている。ダークハニーでやわらげられたタンニン、甘いスパイス、レーズンのようなフルーツ風味が持続する。わずかに青っぽいナッツの渋味を感じさせる後味。
コメント
すっきりと熟成された、シェリー樽貯蔵の素晴らしいスペイサイドモルト。ディナー後の1杯にぴったり。

ジョエル・ハリスンSCORE9.5

香り
鮮やかなイチゴ、チェリー、赤リンゴなどの驚異的な香りが、デリケートだが至るところに偏在するオーク香と完璧にマッチしている。若々しい肉体に、成熟した顔の組み合わせ。
口に含んでも驚きは変わらない。フレーバーの玉手箱。ダークなブラックチェリーから、リッチなバニラとオーク風味まで、すべてが光り輝いている。
フィニッシュ
すべての要素が、フィニッシュに至るまで持続する。バランスも完璧。
コメント
フレーバーと落ち着きに満ち溢れた、極めてバランスのよいウイスキー。



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