139号 テイスティングコメント【後半/全2回】

January 16, 2017

from Issue 139

テイスティング:クリス・グッドラム、ジョエル・ハリスン


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってRecommendedもしくは Editors Choice が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

タリバーディン 1970    40.5%

  • 蒸溜所名: タリバーディン蒸溜所
  • 地域: ハイランド
  • 価格帯: -181
  • 入手可能場所: 全世界

クリス・グッドラムSCORE9.6

香り
年月を感じさせる香り。エレガントで、モルト香、ハーブ香、甘みが感じられる。スミレ色の香水、アルマニャックのようなドライプルーン、ブドウ、イチジク、クルミ。心地よいクリーミーなバニラ香がバランスをとり、ミルクチョコレートと緑茶の感触も現れる。
非常に複雑な味わい。熟成されたモルト、シェリー樽、微かに甘いナツメヤシ、プラム、プルーン。ここでも古いアルマニャックのような感触があるが、柑橘風味が爽やかにバランスを与え、クリーミーなバニラ風味が舌の中央を突き抜けてくる。
フィニッシュ
余韻は長く、荘厳で、豪華なスパイス(甘くてドライ)がある。バニラ、シガーの葉、茶葉の香りが持続する。
コメント
気高いまでにバランスよく熟成されたウイスキー。シェリーカスクの影響は理想的なレベルにあり、何十年間も熟成しているのに樽香はあくまで2次的な特徴に留まっている。

ジョエル・ハリスンSCORE9.5

香り
ウイスキーのテイスティングでは、いつもまさにこんな香りを待ち望んでいる。甘いイチゴ、バルサミコ酢、砕いた黒コショウが、絶妙なバランスで混在する香り。
非常によく熟成されたモルトウイスキーにみられる夢のような風味。採りたてのミントの感触が力強いオーク風味と共演し、そこに再びイチゴのフレーバーがやってくる。
フィニッシュ
ビンテージのスコッチで作ったカクテル「ブラッドサンド」に、ジャミードジャーのビスケットを添えたようなフィニッシュ。
コメント
ブリテン島本土でつくられたスコッチウイスキーの理想像(値段を見てため息)。



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