156号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

February 6, 2019

from Issue 156

テイスティング:ロブ・アランソン、リンジー・グレイ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

カリラ35年 2018スペシャルリリース  35年  58.1%

  • 蒸溜所名: カリラ蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • 価格帯: £181-
  • 入手可能場所: 全世界

ロブ・アランソンSCORE9.1

香り
ソフトで穏やかなスモーク香があり、最初は甘みを感じさせる。ラタキアのパイプタバコや、ヒュミドールを空けた時の匂い。心地よいジャムのような香りもあり、後からほとんど鱈の塩焼きを思わせる塩気の刺激がある。
ここでも穏やかなスモークが突き抜けてきて、スモークアーモンドのようなナッツ風味もある。鱈の塩焼きを思わせる海の塩気、焼き立てのサワードゥ。全体はまろやかで、オレンジのような柑橘風味が濃厚。オレンジの皮を絞った瞬間のような苦味もある。
フィニッシュ
すべての要素が一体となる。重層的で濃密なフィニッシュ。
コメント
見事なまでに複雑なウイスキー。塩っぽさから甘みへの旅を感じながら、途中で素晴らしいスモーク香も楽しめる。

リンジー・グレイSCORE9.2

香り
焼いた洋梨、洋ナシ、洗いたてのリネン。ハリエニシダの花と樹皮のような香りが柔らかく土っぽいアロマを放つ。塩ピーナッツ、ブラックプディング、セメントの匂いが底流している。
焚き火の煙が波のようにどっと押し寄せる。熱した皮革とライムジュースの風味があり、徐々にチェリーベイクウェルタルト、フィグロール(イチジクのお菓子)、ヒースのハチミツなどを思わせる味わいで舌に甘さを感じるようになる。
フィニッシュ
複雑な後味。チョークっぽい感触が、甘くオイリーな印象と入り混じっている。
コメント
重層的で押し出しの強いウイスキー。スモーク香、フルーツ風味、塩っぽい甘さが重層的に混在している。



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