163号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

November 14, 2019


from Issue 162

テイスティング:ロブ・アランソン、ケイト・パックウッド


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

グレンフィディック シグネチャー 12年  12年  40.0%

  • 蒸溜所名: グレンフィディック蒸溜所
  • 地域: スペイサイド
  • 価格帯: £121-180
  • 入手可能場所: 全世界

ロブ・アランソンSCORE9.4

香り
リンゴ入りのカスタード、ペアドロップキャンディー、ルバーブ、カスタード味のキャンディー。かすかに穏やかなスモーク。ハチミツ入りのフラップジャック。バナナブレッドとバター。
甘みの要素が、すべて一度に押し寄せてくる。オレンジシャーベット、レモンドリズルケーキ、そして後からエキゾチックなスパイス。少し塩気を感じさせる唐辛子の感触。
フィニッシュ
口をすぼめそうなほどのスパイスとタンニン。濃厚なシードル。
コメント
これで本当に度数が40%なのかと驚く。たくさんのフレーバーを閉じ込めたパンチがある。

ケイト・パックウッドSCORE9.6

香り
バタースコッチが先陣を切る。やがてフレッシュなオーク香、レモンオイル、白ブドウの匂い。その後から、牧草地を思わせるようなすっきりとした草の匂い、洗いたてのシーツ、熟れたトウモロコシ穀粒。盛大なハニーデューメロンを思わせるトロピカルフルーツの匂いも立ち上がる。
洋ナシのペストリーとグースベリーフール。グリーンゲージのジャムを焼きたてのスコーンに乗せたような味わい。バターっぽい口当たりが、バニラ、ローズウォーター、メロンなどの味を招き寄せる。
フィニッシュ
まろやかな後味。メロンのようなトロピカルフルーツの風味が延々と続く。余韻は長く、バターのような感触のある後味。
コメント
まさに驚くべきウイスキー。バターのようなまろやかさで、細かいニュアンスにもあふれた美味しさがある。ほとんど完璧と言っていいだろう。



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