173号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

March 15, 2021

from Issue 173

テイスティング:ロブ・アランソン、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

カーンモア マノックモア 13年 PXシェリーホグスヘッド  13年  47.5%

  • 蒸溜所名: マノックモア蒸溜所
  • 地域: スペイサイド
  • 価格帯: £?25
  • 入手可能場所: 限定

ロブ・アランソンSCORE8.2

香り
あたたかく、うっとりするような香り。焼きたてのジンジャーブレッド、リンゴのコンポート、シードル煮の洋ナシ。出しすぎた烏龍茶に、小さなショートブレッド。かすかににイチゴのスライス。少しだけイチゴジャムの風味も感じられる。
土っぽい風味がたくさん感じられる。ローストしたヘーゼルナッツと、焼いたココナッツのかけら。皮革のようなシガーの風味がある。スパイシーなオークの熟成風味と、オレンジオイル入りのダークチョコレート。
フィニッシュ
スパイスの押し出しが強まってきて、あたたかく刺激的な後味になる。消え去る時に、焼いたサワードゥのような余韻を残す。
コメント
新しいシガーを詰め込んだヒュミドールを開けて、その香りを胸いっぱいに吸い込むような趣のウイスキー。

クリストファー・コーツSCORE8.9

香り
最初は控えめな印象。だがひとたび香りが開くと、シェリーで煮た果樹園のフルーツのような匂いがふんだんに現れる。シナモン入りのアップルソース。バターたっぷりのビスケットベースとゴールデンシロップ。パイプタバコとかすかなキイチゴの香り。時間が経つにつれてミルクチョコレートとヌガーの匂いも現れる。
バランスの良い味わい。果樹園のフルーツを思わせる風味が帰ってきて、酸っぱいブラックベリーのような印象も伴っている。カシューナッツとレーズンの風味もあり、ミルクチョコレートやオレンジキャンディーのような印象が強まっていく。
フィニッシュ
余韻は長く、最後にリッチでフルーティーな後味を残す。
コメント
エレガントで、素晴らしい存在感のあるウイスキー。自分用にも購入したい。



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