182号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

May 23, 2022

from Issue 182

テイスティング:フィービー・カルバー、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

オクトモア 12.1    60.0%

  • 蒸溜所名: ブルックラディ蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • 価格帯: £121-180
  • 入手可能場所: 全世界

フィービー・カルバーSCORE8.5

香り
かすかに木を燃やしたスモーク香があり、それがバーベキューで焼いた豚肉の塩気につながっていく。この美味しそうな匂いが、オレンジの皮を乗せたチョコレートスフレのような香りと拮抗している。
スモーク香に甘味が加わり、青リンゴの皮、シロップ漬けのアンズ、豚バラ肉、バニラ風味のホワイトチョコレートなどを思い起こさせる。
フィニッシュ
シロップのような甘い後味と、バーベキューのようなスモーク香がいつまでも続く。
コメント
甘くてフルーティなスモーク香が、甘味好きの私にはぴったり。あまり押し付けがましくもなく、バランスがちょうどよい。

クリストファー・コーツSCORE8.6

香り
松の樹液、ハッカのキャンディ、木のスモーク香、キュウリのピクルス、キーライムパイ、ホワイトチョコレート、ポレンタ、モッツアレラスティック。かすかなオレンジオイル、バラ、アニス、石炭の煙のような匂いもある。
口当たりは、ミディアムボディからフルボディ。スモークしたフルーツ(洋ナシ、リンゴ、ハネデューメロン)、ミルクチョコレート、イチゴクリーム。繊細なヨード、かすかなリコッタチーズ、ブリオッシュなどの風味。
フィニッシュ
余韻は長い。舌の上で感じたすべての香味要素が、ゆっくりと消え去っていく。
コメント
重層的で、バランスに優れ、あらゆる香味に満ち溢れている。これほど見事なアイラモルトはあまりない。



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