184号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

July 14, 2022

from Issue 184

テイスティング:フィービー・カルバー、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

アルタムーリン ロージーズカスク 30年  30年  48.0%

  • 蒸溜所名:
  • 地域: ハイランド
  • 価格帯: £181-
  • 入手可能場所: 英国、EU、各国

フィービー・カルバーSCORE8.3

香り
アーモンド入りのフランジパンタルト、カスタード クリームビスケット、削ったばかりのバニラポッド。果樹園のフルーツを思わせる香り。蝋を塗った赤リンゴや、ほんのかすかなタバコの匂い。
口に含むと、今度はアップルとシナモンのタルトや、どこか野菜のような風味が忍び込んでくる。やがて、青いトマトの茎を思わせる。赤唐辛子のような辛味があり、オレガノや松材を感じさせる風味も。バニラカスタードの風味が、すべての要素を包み込む。
フィニッシュ
辛味を感じさせるフィニッシュ。ハーブ香とバニラ香が混ざり合いながら、ひんやりとした感覚で余韻を引き伸ばす。
コメント
個人的にはアルコールの辛味が邪魔になって、すべての酒質を吟味できなかった。水を数滴加えると、その点が改善される。

クリストファー・コーツSCORE8.7

香り
熟れたネクタリン、アロエ、ユーカリの感触。その後から、濃縮アップルジュース、濃縮グレープジュース、レモンのひと絞り。底にはオークリーフの土壌で育てたワインやエルダーフラワー。かすかにヒースの花の匂い。ココナッツとコンデンスミルク。
口当たりはミディアムボディ。コーディアルのように濃密な風味がある。たっぷりのネクタリン、乾燥アンズ、マンゴー、完熟のパイナップル、ココナッツ クリーム、パッションフルーツ。
フィニッシュ
余韻は長い。トロピカルフルーツの香りが消え去って、 アーモンドの花のハチミツで作ったケーキにオレンジの皮を乗せたような後味。
コメント
見事なまでに熟成されたウイスキー。さらに年月をかけて熟成すれば、もっとエレガントに成長するだろう。



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