186号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

October 3, 2022

from Issue 186

テイスティング:フィービー・カルバー、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

コッパーワークス リリース No. 042    51.0%

  • 蒸溜所名: コッパーワークス蒸溜所
  • 地域: 米国
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 米国

フィービー・カルバーSCORE9.1

香り
ねっとりしたトフィープディングのリッチな香り。たっぷりのデーツと樽熟成したメープルシロップ。バーベキューで焼いたオレンジの房。そこにふりかけたシナモンとナツメグ。洋ナシなどの果樹園のフルーツ。オイルの染み込んだ布。
リッチで比較的ドライな口当たり。琥珀やサンダルウッドのような印象が現れ、ペアドロップキャンディやナツメグ。甘い青リンゴの皮とバニラカスタード。その後から、ヒースの花のハチミツをかけたサワードゥブレッドのような風味。
フィニッシュ
余韻にはあたたかさを感じる。ハチミツとナッツが入ったクリスピーなシリアルを思わせる後味。
コメント
個人的には好みの路線。リッチであたたかな木の香り、甘味、酸味などの要素が美しく融合している。うっとりするほど美味しい。長い1週間の終わりに、また味わってみたい。

クリストファー・コーツSCORE8.6

香り
コーヒークリームリキュールやチョコレートの香り。パッションフルーツ、シロップ漬けのモモ、ライチなどの濃厚なフルーツ香。杉材とブラックチェリージャム。ベリー系果実のクランブルケーキに、シナモンとカスタードが乗っている。セージやタラゴンの繊細なハーブ香。
口当たりはミディアムボディ。香りと同様に、完熟のトロピカルフルーツや核果を思わせる濃厚なフルーツ風味が続く。コーディアルのような、唾液を誘うような味わい。スマック、ショウガ、ナツメグなどのスパイシーな感触。トフィーとアニスの風味もさらに唾液を誘う。
フィニッシュ
余韻は長い。パッションフルーツの後味が霧散して、繊細なメンソール香が涼しい余韻を残す。
コメント
見事なまでに香味を構築されたモルトウイスキー。



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