187号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

December 8, 2022

from Issue 187

テイスティング:フィービー・カルバー、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ウーブン エクスペリエンス No.10    52.4%

  • 蒸溜所名:
  • 地域: スコットランド
  • 価格帯: £121-180
  • 入手可能場所: 英国

フィービー・カルバーSCORE8.7

香り
アロマティックなスモーク香と、軽やかなヒースの花のハチミツ。この2つの要素が心地よくバランスをとりながら、そこにはアニシードの香りも振りまかれている。
アニスの風味はトフィーキャンディのような印象に変化する。フレッシュなペパーミントの感触がかすかにあり、やがてねっとりとしたハチミツを塗ったライ麦パンのトースト(美味しい焦げ目つき)を思わせる味わいも現れる。
フィニッシュ
アニスの香りがいつまでも続いている。その後味をハチミツのような香りが滑らかに包み込む。
コメント
大好きな味わいのウイスキー。本来なら共存させるのが難しい香味要素を同居させ、その特徴をふんだんに表現しながらまとめている。素晴らしい出来栄えだ。

クリストファー・コーツSCORE8.5

香り
ピートのスモーク香があり、ペアドロップキャンディ、トウガラシ属の野菜、ユーカリオイル、セージなどの匂いが入り混じっている。焼き魚とオリーブオイル。乾燥したホップ、グレープフルーツの皮、ハモンセラーノなどの匂い。
口当たりはフルボディ。酸っぱい青リンゴや焼いた洋ナシのような味わいにスモーク香が加わり、魅惑的なフランジパーヌ(アーモンドクリーム)のタルトを思わせる印象が生まれている。バニラカスタード、シナモンと砂糖をふりかけたパン、スウェーデン風のカルダモン入りドーナッツ(スコーレブロッド)。
フィニッシュ
焼いた洋ナシとキャラメルのような甘みを感じさせる濃厚な後味。消え去るときに、木のスモーク香を残す。
コメント
スウェーデンのパン屋さんで、パンに入れる具材を食べているような趣きのウイスキー。



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