190号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

May 4, 2023

from Issue 190

テイスティング:ベサニー・ワイマーク、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ライムバーナーズ 5年  5年  51.5%

  • 蒸溜所名: グレートサザン蒸溜所
  • 地域: オーストラリア
  • 価格帯: £121-180
  • 入手可能場所: 全世界

ベサニー・ワイマークSCORE8.7

香り
シャープさも感じる甘い匂い。マンゴーのチャツネやライムのピクルスが混ざりあったような印象。ブランデー入りのスナップビスケットとオレンジブロッサムウォーター。バニラペーストとココナッツクリーム。カレーリーフ、コリアンダー、マスタードシード。熟れていないプラムを思わせるシャープな香り。
口当たりは、ミディアムボディからフルボディ。完熟したジューシーなモモとプラム。たっぷりの黒糖。ピーチのフレーバーを付けた甘い紅茶。シェリー漬けのレーズン。砂糖漬けのショウガ。生ライムの皮や、さらに酸味の強いライムのピクルス。ちょっと焦げたフレンチトースト。
フィニッシュ
余韻は長い。ピーチ味のアイスティーに、ねっとりしたジンジャーケーキ。いちばん最後に、かすかなセージを思わせる後味がある。
コメント
複雑な味わいで、香味のバランスがとれている。しっかりと重量感もあり、飲み心地が美味しい。オーストラリアの実力を実感するウイスキー。

クリストファー・コーツSCORE8.8

香り
バラとスミレの入ったポプリの匂い。キノットオレンジ、パチョリ、バイオリン用の松脂、クスノキ材、ジャスミン、ねっとりしたトフィープディング。チェリーコーラと黒トリュフ。ハチミツとパプリカでローストしたピーナッツ。アフターエイトチョコレートのミント味。
口当たりは、ミディアムボデイ。牛肉と赤ワインのフォン、チェリージャム、栗のロースト、ヒラタケ、スイカ、焦がしバター。ペパーミントの葉、甘草の根、パプリカの素揚げ、そしてランシオのような感触。酸味のあるモモやレモンのような風味も感じる。
フィニッシュ
余韻は長い。ピーナッツやトリュフチップスのような後味。
コメント
古風な香水のような香りがある。だが味覚は狩猟小屋で開催されるディナーのようだ。どちらにしても、好き嫌いが分かれるタイプのウイスキーではあるだろう。



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