135号 テイスティングコメント【後半/全2回】

August 5, 2016


from Issue 135

テイスティング:クリス・グッドラム、ジョエル・ハリスン


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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推奨ボトル

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※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

グレンカダム 19年 オロロソシェリーカスクフィニッシュ  19年  46.0%

  • 蒸溜所名: グレンカダム蒸溜所
  • 地域: ハイランド
  • 価格帯: 71-120
  • 入手可能場所: 全世界

クリス・グッドラムSCORE9.5

香り
ゴージャスな、トロピカルフルーツのモンスター。グアバ、パパイヤ、メロン、洋ナシ、バナナ、アンズ、モモ、ライム。見事に熟成されていて、底知れない深みがある。アカシアのハチミツ、ミネラル群、粉っぽいオークなどの感触。
ミネラル風味、柑橘、大麦が少し増した印象の幕開け。成熟したトロピカルフルーツ風味は、少々和らいでいるとはいえまだそこにある。舌の中央で柑橘とミネラルの風味を強く感じるが、クリーミーなオーク風味が角を取って滑らかにしてくれる。まさに堂々たる味わい。
フィニッシュ
柑橘とミネラルの感触はまだ続く。トロピカルフルーツの風味がエコーのように鳴り響き、香ばしく焼けたオークの風味もある。
コメント
こんなウイスキーとの出会いがあるから、テイスティングはやめられない。

ジョエル・ハリスンSCORE9.0

香り
クラシックなスコッチシングルモルトウイスキーの香り。オークのスパイス、バニラ、甘味、蒸溜所特有のフレーバーが素晴らしいバランスで共存している。モモとハチミツの香りが、別レベルの魅力を加えている。
分厚くオイリーな舌触り。素晴らしいマヌカハニー、石炭の粉、白い花、焼いた松の実。このウイスキーには、愛すべき「ヴィンテージ」の感触が備わっている。
フィニッシュ
甘い後味だが、基盤にはオークの苦味がある。バランスは非常によい。
コメント
古風なスタイルのシングルモルト。オークのフレーバーが重要なはたらきをしている。



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