ワールド・ウイスキー・アワード2016日本地区代表ウイスキー決定!

February 10, 2016


ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2016の日本地区代表ウイスキーがついに発表された。今回選ばれた銘柄は最終ラウンドで各カテゴリーの難関を通過した世界のウイスキーと対決する。

 
文:WMJ
 
英国ウイスキーマガジン(パラグラフ・パブリッシング社)が開催しているワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2016の日本地区受賞ウイスキーがついに決定した。

今回はカテゴリーが1つ増え、「ブレンデッド」、「ブレンデッド リミテッドリリース<新設>」、「ブレンデッド モルト」、「シングルモルト」、「シングルカスクモルト<新設>」、「グレーン」の計6カテゴリーに区分され評価が行われる。日本地区のエントリー総数は33銘柄。そのうち、最終ラウンドに進めるのは各カテゴリー1銘柄のみのため、審査はとても厳しいものとなった。

まずは、日本地区の最終ラウンドまでの審査の流れを見てみよう。

第1ラウンドは、各カテゴリーに設けられたサブカテゴリー(ノーエイジ、12年以下、13~20年、21年以上の4つの部門。グレーンのみノーエイジ、熟成年数表示ありの2部門に熟成年数別で細分化されている)ごとに、最も優れた1銘柄が選出され、次の第2ラウンドへ進む。

第2ラウンドは、第1ラウンドを勝ち進んだサブカテゴリーの勝者同士を各カテゴリー内で競わせ、カテゴリーごとの日本を代表するウイスキーが決定される。一般的に熟成年数の長いものが高評価を得ると考えられがちであるが、審査員は詳細を知らされず、ブラインドテイスティングで純粋に全体のバランスから評価するため、必ずしも長期熟成のウイスキーが高評価を得るとは限らない。

日本地区第2ラウンドで選出された銘柄は、「ベストジャパニーズ」の称号が与えられ、日本代表として最終ラウンドへ進出できるのである。

最終ラウンドでは各カテゴリーの難関を通過した世界のウイスキーと凌ぎを削り、勝ち残った銘柄だけが今回設けられた6カテゴリーごとに、晴れて「ワールド ベスト」の栄冠の座を掴むのだ。

今回のWWA2016日本地区の第1ラウンドで選出された銘柄及び、第2ラウンドで「ベストジャパニーズ」の称号を勝ち取った銘柄(赤字)は以下の通りである。

 

<ベストジャパニーズ ブレンデッドウイスキー>
  響21年 (サントリースピリッツ株式会社)

<ブレンデッド> ― Blended ―
サブカテゴリー 商品名 メーカー
ノーエイジ フロム・ザ・バレル ニッカウヰスキー株式会社
12年以下 ザ・ニッカ 12年 ニッカウヰスキー株式会社
13年~20年 響17年 サントリースピリッツ株式会社
20年以上 響21年 サントリースピリッツ株式会社

 

<ベストジャパニーズ ブレンデッドウイスキー (リミテッドリリース)>
  ※エントリーなし

<ブレンデッド リミテッドリリース> ― Blended Limited Release ―
エントリーなし

 

<ベストジャパニーズ ブレンデッド モルトウイスキー>
  竹鶴ピュアモルト(ニッカウヰスキー株式会社)

<ブレンデッド モルト> ― Blended Malt ―
サブカテゴリー 商品名 メーカー
ノーエイジ 竹鶴ピュアモルト ニッカウヰスキー株式会社
12年以下 エントリーなし
13年~20年 エントリーなし
20年以上 エントリーなし

 

<ベストジャパニーズ シングルモルトウイスキー>
  山崎18年(サントリースピリッツ株式会社)

<シングルモルト> ― Single Malt ―
サブカテゴリー 商品名 メーカー
ノーエイジ 富士御殿場蒸溜所 ブレンダーズチョイス シングルモルトウイスキー キリンビール株式会社
12年以下 白州12年 サントリースピリッツ株式会社
13年~20年 山崎18年 サントリースピリッツ株式会社
20年以上 白州25年 サントリースピリッツ株式会社

 

<ベストジャパニーズ シングルカスクモルトウイスキー>
  イチローズモルト 秩父シングルカスク No.3867
  (株式会社ベンチャーウイスキー)

<シングルカスモルト> ― Single Cask Malt ―
サブカテゴリー 商品名 メーカー
ノーエイジ エントリーなし
12年以下 イチローズモルト 秩父シングルカスク No.3867 株式会社ベンチャーウイスキー
13年~20年 エントリーなし
20年以上 エントリーなし

 

<ベストジャパニーズ グレーンウイスキー>
  富士御殿場蒸溜所 シングルグレーン25年 スモールバッチ
  (キリンビール株式会社)

<グレーン> ― Grain ―
サブカテゴリー 商品名 メーカー
ノーエイジ 富士御殿場蒸溜所 ブレンダーズチョイス シングルグレーンウイスキー キリンビール株式会社
熟成年数表示あり 富士御殿場蒸溜所 シングルグレーン25年 スモールバッチ キリンビール株式会社

 

これまでのジャパニーズ・ウイスキーの健闘は目覚ましく、WWA開催以来9年連続でジャパニーズ・ウイスキーが「ワールド・ベスト」に輝いている。今回、第2ラウンドを勝ち抜いた5銘柄の運命やいかに。

また、テイスト分野以外にデザインの分野においても、ボトル、ラベル、パッケージのデザインを包括的に審査し、「ワールド・ベスト・デザイン」が選ばれる。WWA2016の最終結果は各分野とも3月17日(木・現地時間)に発表される。

現地からの速報が入り次第、本サイトでもお伝えするので、最終ラウンドでのジャパニーズ・ウイスキーの健闘を祈りつつ、乞うご期待。

各地区の第1ラウンドを通過した銘柄(英語表記)はこちらから。
 

 

WWAとは
ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)は、ウイスキーマガジンの発行元であるパラグラフ・パブリッシング社(所在地:英国ノリッチ)が2001年から2年に一度開催してきた「ベスト・オブ・ザ・ベスト」が発展したもので、製造者及び所有元の明確なボトリングのみを対象としたウイスキーのコンペティションである。2007年よりWWAとして毎年実施されており、「ベスト・オブ・ザ・ベスト」の時代より一貫して、ブラインドテイスティング(銘柄を伝えずに行うテイスティング方法)審査により受賞ウイスキーを決定している他に類を見ない、ウイスキーのみを対象としたコンペティションだ。
WWAでは、各地区のラウンド審査を経て、最終的にカテゴリーごとに世界最高峰ウイスキー「ワールド・ベスト」(例:シングルモルト・・・「ワールド・ベスト・シングルモルト」)を選出している。

 

 

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