182号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

May 26, 2022

from Issue 182

テイスティング:フィービー・カルバー、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

キャパドニック 25年  25年  50.6%

  • 蒸溜所名: キャパドニック蒸溜所
  • 地域: スペイサイド
  • 価格帯: £181〜
  • 入手可能場所: 英国

フィービー・カルバーSCORE8.7

香り
モモに乗せたクリーム。爽やかなビスケットを思わせるアマレット。かすかにバジルの葉。前夜の残り火のような甘いスモーク香。機械のような匂いもあり、ラム酒に漬けたレーズンのようなリッチな香りも。後から、かすかにショウガのスパイス。
口に含むと、消毒液のような薬っぽい風味が突き抜けてくる。やがて唐辛子のような辛みを感じ、やがて素晴らしくジューシーなプラム、モモ、バニラクリームのような風味が現れる。かすかにヘーゼルナッツミルク、ミルクチョコレート、後からショウガの刺激。
フィニッシュ
余韻の長さはミディアムから長め。甘いネクタリンのような後味がある。素晴らしく軽やかな木のスモーク香を残す。
コメント
かなり特別感のあるウイスキー。

クリストファー・コーツSCORE8.5

香り
木のスモーク香、焼いたサーモンの皮、ペアドロップキャンディ、リンシードオイル。アーモンドケーキ、レモンシロップ、カスタードクリーム、繊細な草の匂い。キンセンカやカモミールを思わせる穏やかな花々の香り。ほのかなユーカリ、アロエ、メンソールの感触。そのすべての背後にあるダンネージ式貯蔵庫のようなムードが、かなり長い熟成年数を暗示している。
口当たりは、ミディアムボディからやや軽め。果樹園のフルーツをスモークしたような印象。かなり凝縮された濃厚なフレーバーで、どこか甘酸っぱい香味要素もある。繊細な植物性の印象も感じられ、口から鼻に抜ける香りには苔のような感触もかすかにある。青いバナナやクリーミーな印象も。
フィニッシュ
後味は繊細に霧散していく。ペアドロップキャンディとほのかなスモーク香の余韻が続く。
コメント
さまざまな香味が美しく統合された味わいのウイスキー。昔ながらの古風なスペイサイドモルトといえる特性がある。



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