「うち飲みボトル」から広がる蒸溜酒の新境地

February 17, 2017


今月末からいよいよ始まるプレミアムフライデー。日本全国の「働き方改革」にあわせ、サントリーが「飲み方改革」に動き出している。今月から続々と発売されるスピリッツ・リキュール商品のキーワードは、「うち飲みボトル」だ。

文:WMJ

 

今月から、いよいよ「プレミアムフライデー」がスタートする。毎月最終金曜日の終業時間を午後3時に早めて、消費活動を促そうという政府主導の取り組みだ。近年の社会状況や消費者心理の変化を調査してきたサントリーは、この「働き方改革」が、飲み方の多様化を加速させると予測している。サントリースピリッツでリキュール・焼酎部長を務める山本大輔氏が、今年度の戦略の一端を明かしてくれた。

「働き方改革は、飲み方改革につながるものと捉えています。これからは家で過ごす時間が増え、お酒の楽しみ方もいっそう多様化するはず。近年はハイボールなどの普及にも後押しされてウイスキーなどボトル入りのお酒が家庭にも浸透してきました。また、炭酸を中心に、様々な割り方でお酒を楽しむお客様が増えています。この状況はスピリッツ・リキュールにとって大きなチャンスなのです」

食中酒用にチューンアップしたロングセラー。左から「サントリーアイスジン」、「サントリーアイスウオツカ」(各500ml、税別希望小売価格770円、37%、スピリッツ)、「サントリーアイスジン〈レモン&ライム〉」、「サントリーアイスウオツカ〈グレープフルーツ〉」(各500ml、税別希望小売価格700円、25%、リキュール)。

今年の日本のスピリッツ市場(ホワイトスピリッツ)は、全体で5%程度伸びるとサントリーは予測している。そもそもスピリッツやリキュールは、多彩なシーンで楽しめるタイプの酒類だ。食前のカクテルにしたり、ディナー後のくつろぎタイムに楽しんだり、さらにはソーダで割ることによってさまざまな食事にあわせることもできる。

興味深いのは、2012年から2016年までの4年間で、スピリッツを炭酸水で割る飲み方が加速度的に広がっているというデータだ。言われてみれば、最近は家庭にソーダが常備されているのが当たり前という状況も実感できる。店舗でも、肉料理を食べながらジントニックを飲む人が以前に比べて格段に増えている。

多様な味わい、自分好みの飲み方、幅広い飲用シーン。そんな消費者の傾向にあわせて、サントリーは今月から新しいボトル入りのスピリッツ・リキュール商品を次々と発売する。キーワードは「うち飲みボトル」である。

 

新発売の「うち飲みボトル」をテイスティング

 

早速、「うち飲みボトル」の目玉商品を一足先に味わってみた。手引きしてくれるのは、スピリッツ商品開発研究部長の村上悦郎氏である。

まずは4月4日に発売される「アイスジン」。これは1995年発売のロングセラーブランドを、ソーダ割り用に最適化したものである。アルコール度数37%のアイスジンを3:1のソーダ割りにして飲むと、はっきりとした柑橘の余韻が後に続いた。あらかじめソーダ割りを想定してボタニカルを調整し、柑橘フレーバーを強調したのだと村上氏は説明する。

度数を25%に抑えたフレーバードタイプの「サントリーアイスジン〈レモン&ライム〉」になると、飲み心地はいっそう爽やか。25%といえば焼酎に多い度数なので、強いお酒に不慣れな人にもおすすめできる。「アイスジン」は、バーでジンに親しんできた洋酒ファンでも、焼酎のソーダ割りを常飲している人でもすんなり受け入れられそうな味で、フレーバードタイプはお酒のビギナーにぴったりだ。

くつろぎタイムに照準を絞った商品が、「夜のCoffee」と「夜のTea」(各500ml、税別希望小売価格550円、8%、4月4日発売)。オンザロックで冷やしても、華やかに立ち上がってくる香りが特長だ。

次に試飲してみたのは、同じく4月4日発売の「夜のCoffee」と「夜のTea」。ともにスピリッツとブレンドされることによって、コーヒーと紅茶のフレーバーがいっそう華やかに立ち上がる。度数は8%で、ゆったりとオンザロックで味わうのがおすすめだ。

上記の新商品より早く発売される「うち飲みボトル」もある。2月28日に登場するのが、食事にあう梅酒「食事においしい ごちそう梅酒〈しっかり芳醇〉」と「食事においしい ごちそう梅酒〈すっきり淡麗〉」。漬け込みを終えた梅酒から梅の実を取り出し、種だけをスピリッツに浸漬させた「梅たね浸漬酒」をブレンドする特殊製法で、甘さを抑えながら梅本来の味わいを増大させた新商品だ。

さらに3月28日発売の「ふんわり鏡月クリア〈ライム〉」も、食中酒として楽しめるよう甘さは控えめにしてある。ロックやソーダ割りにすると、飲み飽きしない晩酌のお供に。サントリーは爽やかなフルーツ割りの「ふんわり鏡月」に、すっきりと甘くない「クリア」シリーズを加えて定番化していく方針である。

モノ消費からコト消費への移行は、ドリンクの世界でも着実に進んでいる。今年は多彩なライフスタイルにあわせた「飲み方改革」に注目だ。

お酒と食事のさまざまな愉しみ方を提案する、サントリー公式ウェブサイトはこちらから。

 

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