「初号ブラックニッカ復刻版」「初号ハイニッカ復刻版」登場

日本のウイスキーの父・マッサンこと竹鶴政孝氏が思いを込めてつくったウイスキーブランドの復刻品が3アイテム登場する。

12月2日、「竹鶴ハイボール」「リタハイボール」が発売となったこの日、来年発売のニッカ復刻版シリーズが発表された。

復刻するボトルは全3アイテム。そのうちこの日お披露目されたのは1月27日（火）発売の「初号ブラックニッカ復刻版」と2月24日（火）発売の「初号ハイニッカ復刻版」。第3弾は3月以降に発表されるとのこと。

「初号ブラックニッカ復刻版」は1956年（昭和31年）に発売された「初号ブラックニッカ」の発売当時の香味やデザインを再現している。
ブラックニッカは竹鶴政孝氏が「日本の洋酒界を代表するブランドにしたい」という信念のもとにつくりあげたもので、自らデザインした「ニッカエンブレム」をラベルの中央に据えている。
二頭の狛犬が向かい合う中央に兜をあしらったエンブレムは、スコットランドの伝統と格式を重んじながらも日本風にアレンジした、ニッカのウイスキーの理念をそのまま表現しているようだ。
当時はウイスキーに「級別制度」があり、原酒混和率（製品中に原酒が占める割合）によって特級、一級、二級と分けて販売されていた。竹鶴氏は特にウイスキー本来の味わいを重視していたため特級には強い思い入れがあったものと想像できる。
この復刻版は、現存する「初号ブラックニッカ」の中味をブレンダーが研究し当時の味を再現。特に「初号」発売時はまだ宮城峡蒸溜所ができていなかった（1969年設立）ため、復刻版でもモルトは余市蒸溜所のものだけを使用。さらに当時と同じ「常温濾過」を採用する等、竹鶴氏がつくり上げた味わいを蘇らせるというこだわりが随所に隠されている。

「初号ハイニッカ復刻版」は、1964年に二級ウイスキーとして発売した「初号ハイニッカ」の復刻版だ。
特級ウイスキーにこだわっていた竹鶴氏ではあったが、一方で「より多くの方に手頃な価格でおいしいウイスキーを飲んでもらいたい」という想いで飲みやすさと価格を重視した商品を生み出した。それがこの「ハイニッカ」で、晩年竹鶴氏が愛飲したことでも知られている。
こちらも現存する「初号」のボトルをブレンダーがテイスティングして、当時の味わいを再現した。
ラベルに書かれている「HiHi」の文字は、「ハイニッカ」という商品名ではあるが「ハイハイ！」と軽やかな掛け声のように親しみを持って呼んでほしいという願いを込めた竹鶴氏のアイデアとのこと。
正装したような初号ブラックニッカのボトルと比べてもカジュアルな装いで、異なるタイプのウイスキーとして考案されている。

この2アイテムの試飲をさせていただいた。
「初号ブラックニッカ復刻版」は余市由来のアロマがまず現れる。バターたっぷりのクロワッサンのようでもあり、醤油煎餅のようでもある、心地よい香ばしさ。ビターチョコレート、ほのかなメロンの甘み。かすかにベーコンを思わせるスモークとタンニンのアクセント。落ち葉の積もる秋の森のような、郷愁を誘われるウイスキーだ。
「初号ハイニッカ復刻版」のほうでは、先ほどの「しっかり焼いた」麦の印象から「ふんわりと焼いた」パンケーキのような香ばしさに代わる。栗やバニラ、ハーブなどが軽く漂い、加水でラベンダーやシトラスが現れる。柔らかくクリスピー、オールラウンドに楽しめるスッキリ感も備え、身近なウイスキーとなるように考え抜かれたブレンドということが伝わってくる。

また同時に「フリージングハイボール」サーバーも発表された。
こちらは来年1月下旬から年間3,000店の全国の飲食店で展開される。アサヒビール社が独自に開発した専用ディスペンサーから、氷点下に冷やしたハイボールが提供されるというもの。クセのないクリアな味わいが特徴の「ブラックニッカ　クリア」のハイボールをステンレスの専用タンブラー で楽しむという新感覚のスタイル。氷点下の冷たさをダイレクトに実感できる「氷なし」と、冷涼感が長く楽しめる「氷あり」の2種類の飲み方を提案する。 夏だけでなく、冬場のあたたかい料理にも合わせてすっきりと飲める、ハイボールの新しい楽しみ方ができそうだ。

躍動の創業80周年であったこの1年に続いて、来年もウイスキーファンを楽しませてくれる仕掛けをたっぷりと用意してくれたニッカウヰスキー。ウイスキーづくりが本格的に動き出した連続TVドラマとともに、ますます目が離せなくなりそうだ。

【商品詳細】

カテゴリ: Archive, features, TOP, 最新記事, 蒸溜所