ブラックニッカ フリージングハイボールを味わう【前半/全2回】

December 16, 2015


ハイボール文化の発信地である日本から、ウイスキーの世界をまたひとつ広げてくれるテクノロジーが誕生した。約1年間の「ブラックニッカ フリージングハイボール」の実績を振り返りながら、その新鮮な魅力を再検証してみよう。

文:WMJ

ビール党を自称し、すっきりとしたキレ味がお好みの方なら「スーパードライ エクストラコールド」はすでに体験済みかもしれない。アサヒビールが独自に開発した専用ディスペンサーを使用することで、「アサヒスーパードライ」の特長を際立たせた新感覚の生ビール。2014年12月の時点で取扱店は1万店を超え、今年は夏の猛暑も手伝ってさらに話題を呼んだ。取扱店も昨年からほぼ倍増の勢いである。

この特殊な新技術を、ハイボールに応用したのが「ブラックニッカ フリージングハイボール」だ。既存の樽詰めハイボール(10L)を氷点下に冷やすことで、従来のハイボールにはなかった異次元の冷涼感や爽快感を生み出す。従来の樽詰めハイボールが5℃~6℃であるのに対し、ブラックニッカ フリージングハイボールは-2℃~0℃という氷点下の温度でサーブされる。昨年より開発に携わった、アサヒビール株式会社マーケティング本部の羽賀友行次長がそのテクノロジーを説明してくれる。

「中身のハイボールはそのままに、温度を変えて新しい味わいを提案する技術です。ハイボールの原液はおよそマイナス2.6度から凍り始めるので、その一歩手前のマイナス2度前後まで冷やすことにしました。その結果、従来のハイボールよりも冷涼感が強調されて、いっそう新鮮な飲み口になっています」

飲むたびに口の中をリフレッシュしてくれるのが、ブラックニッカ フリージングハイボールの特長だと羽賀氏は語る。食べ物の味をサッと洗い流すことで、次の一口が進みやすい。ビルドアップで手づくりするハイボールより炭酸の印象がきめ細やかで鮮烈なのも、ぐいぐい飲める美味しさの秘密だという。

ブラックニッカ フリージングハイボールに使うウイスキーは「ブラックニッカ クリア」だ。ニッカウヰスキーの佐久間正チーフブレンダーも、このブラックニッカ フリージングハイボールの開発を間近で見届けてきた。

「通常の樽詰めハイボールとブラックニッカ フリージングハイボールを飲み比べると、はっきりと味の違いが感じられます。ブラックニッカ フリージングハイボールはすっきりとして、味が磨かれたようなイメージ。それが本来のブラックニッカ クリアのコンセプトにもぴったりでした。どちらが良いかは飲む人やシチュエーション次第ですが、今までのハイボールとは違う新しい美味しさを確かに提供できるものと実感しています」

まろやかにブレンドしたウイスキーを氷点下まで冷やすことで、雑味が消えてトロリとした甘味が強調される。クリアで、滑らかで、スウーッと入ってくるからゴクゴク飲める。爽快で鮮やかな感触があり、ウイスキー未経験者でも美味しく飲めるというのがブレンダーの見解だ。

 

ハイボールのおかわりが増えた

樽詰めハイボール(10L)に2台の冷却器をつなぎ、2段階で冷やすのがブラックニッカ フリージングハイボールの画期的なところである。通常のサーバーは電磁的に生成した氷中の管に原液をくぐらせるが、ブラックニッカ フリージングハイボール用サーバーは氷点下の不凍液を用いることで冷却を効率化した。設置スペースも従来の約4分の1と小型化し、メンテナンスも容易だという。

この専用サーバーの設置店は、2015年12月現在で4,500店舗を超えたところ。同年1月の開始当初は年内3,000店舗を目標にしていたが、3月には早々と5,000店に目標を上方修正している。平均データをとると、ブラックニッカ フリージングハイボール導入後の3ヶ月間で、それ以前の3ヶ月間に対し126%のハイボール出杯数が記録された。取扱店からは「おかわりが増えた」という報告が続々と届いていると羽賀氏が明かす。

「おかわりが増えているという事実から、ビール→ブラックニッカ フリージングハイボール→ブラックニッカ フリージングハイボール(おかわり)といったパターンが想像できます。氷点下だからこそ、通常のハイボールよりも氷が溶けにくい。冷涼感や爽快感が持続するので、杯も進むのでしょう」

品質保持の観点から、取扱店には厳密なルールを順守してもらっている。月あたりの消費量に下限を設定しているため、コンスタントに杯数が出せる店舗であることも導入条件となる。生ビール同様、毎日のサーバー洗浄も欠かせない。基本的なメンテナンスを怠らず、クオリティを守ることでリピーターを増やしているところだ。

ブラックニッカ フリージングハイボールは、提供する店舗へのメリットも大きい。最新テクノロジーを駆使した店舗だけの味わいなので、単価を少し高めに設定できる。レバーを引くだけでサーブできるので、未経験のスタッフでも品質が均一に保てる。時間効率やオペレーション効率も向上し、コストダウンや売上アップにも貢献する。飲んで美味しく、店舗にとっても良いことずくめのドリンクなのである。

(後半につづく)

 

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