カバラン蒸溜所 イアン・チャン氏インタビュー 【その1・全2回】

January 2, 2013

遡ること9月、ウイスキーライヴ台北の開催に伴い、WMJがBOND#1メンバーとともに現地に乗り込んだことはすでに当サイトでご報告した通り。台湾唯一のウイスキー蒸溜所「カバラン」では、マスターブレンダーのイアン・チャン(Ian Chang)氏アテンドにより、VIP待遇で歓迎していただいた。

WMJは蒸溜所ツアーの後イアン・チャン氏にインタビューし、台湾ウイスキーマーケットの現状と今後の展望について語ってもらう機会を得た。

ウイスキーマガジン・ジャパン(以下WMJ) 本日はお忙しい中蒸溜所をご案内いただき、本当にありがとうございました。
まず、台湾のウイスキー市場全般についてまずお聞かせいただけますか。ここビジターセンターにも現在も大勢の人が来ていますから、成長の兆し著しいとは思いますが。

イアン・チャン(以下IC) 台湾市場は明らかに成長を続けています。とりわけ、高額商品を希求する傾向が高まっているようです。マッカラン、グレンモーレンジィ、ボウモア、そして日本からはサントリーのウイスキーから長熟モノが数々リリースされてきましたが、瞬く間に完売し、常に完売するのが現状です。

WMJ それは驚きですね。そのような高額商品を購入できる人は多くはないとは思いますが、一方で若い世代はどうでしょう。

IC 若い世代の飲み手も増えています。特に女性ですね。以前はウイスキーといえば男性の飲み物と考えられていましたが、セミナーを担当するごとに女性の比率が高まってきていると感じます。

WMJ 日本でも同様に、女性の飲み手が増えてきていると思います。傾向が似ていますね。次に、台湾の人が好むウイスキーのフレイバーについて教えてください。数年前まで、台湾の人々は、長熟、かつシェリー樽熟成のウイスキーを好む傾向にあったように思いますが。

IC 最近は、台湾の飲み手もずいぶんとウイスキーについての知識が高まり、洗練されてきたように思います。依然ピーティなタイプを好む人は少ないですが。

WMJ どんな飲み方が主流ですか。

IC ストレートで飲むことが多いですね。何人か集まれば、ウイスキーで乾杯です。パーティーの終盤ではひどく酔っ払ってしまうなんてことはしょっちゅうです。

WMJ 日本には古くから水割りやハイボールという飲み方がありますが、台湾ではどうでしょう。

IC いろいろな飲み方で楽しむのはとても素晴らしいことですよね。根付く土壌はできてきているかと思います。

WMJ ご自身について伺います。現在カバランに勤めて何年目になりますか。また、カバランで働こうと思ったきっかけは?

IC 7年です。それまでウイスキーのバックグラウンドがあった訳ではないのですが、ノージングの試験があって、合格したんです。その後、もちろん猛勉強しましたが。

WMJ それは驚きです。ウイスキーづくりの才能を見出されたという訳ですね。
ちなみに、日本の蒸溜所へは行かれたことはありますか。また、ジャパニーズ・ウイスキーはお好きですか。

IC ええ、山崎と御殿場に行ったことがあります。ずいぶん前ですが。ジャパニーズ・ウイスキーで特に好きなのは余市と山崎。どちらも素晴らしいウイスキーだと思います。

【その2へ続く】

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