忠実なファンに届いた、ザ・マッカランからの贈り物

September 11, 2015

9月1日に発売された、ウイスキーファン羨望のボトルが2つ。「ザ・マッカラン Mデキャンタ」と「ザ・マッカラン レアカスク」は、共にザ・マッカランによるフレーバーへのあくなき追求から生まれた記念すべきリリースだ。夢のようなテイスティングが待っていた、新発売記念パーティーのレポート。

文:WMJ

日本市場に投入した史上最高額のウイスキーを「心の旅」になぞらえるデイビッド・コックス氏(左)。傑作ウイスキーを完成させるため、大勢のマスターたちが心血を注いだ。

9月1日、午後7時。銀座の街明かりを見下ろすシテ・ドゥ・タン ギンザは、独特な高揚感に包まれていた。特設ステージの横には、大きなウイスキーボトルが鎮座している。ただのオブジェではない。昨年、サザビーズ香港で1本62万8205USドル(約7,500万円)というシングルモルト史上最高額で落札された「ザ・マッカラン・インペリアル M」と同種のウイスキー(6リットルボトル)である。

本日の主役は、この大ボトルの流れを汲む超高級ウイスキー「ザ・マッカラン Mデキャンタ」だ。販売価格は、700mlのボトルが1本70万円。熱烈なウイスキーファンたちが、試飲会を兼ねた新発売記念パーティーに集まってきた。

「Mデキャンタの『M』は、マッカランの頭文字であることはもちろん、このウイスキーづくりに関わった3者のマスターたちを意味しています」

ザ・マッカランのファイン&レアウイスキー担当ディレクターを務めるデイビッド・コックス氏が、壇上で語り始める。そのマスターとは、まず光り輝くダイアモンドのようなボトルをデザインしたファビアン・バロン。そして美しい琥珀色を引き出す特製クリスタルデキャンタを完成させたフランスのラリック社。最後はもちろん、1824年からこの比類のないウイスキーをつくり続けているザ・マッカランだ。

1本70万円の「ザ・マッカラン Mデキャンタ」。ここまでくれば、ボトル1本が芸術品である。

「Mデキャンタは、ザ・マッカランの心の旅を象徴するウイスキー。1940年に蒸溜した希少な長期熟成原酒から、1980年代初頭の原酒まで、異なる熟成期間の原酒を選りすぐった私たちのDNAが詰まっています。何世代もの家族全員で美しく調和する、日本の和の精神に通じるウイスキーであるともいえるでしょう」

グラスが届き、いよいよテイスティングが始まる。いつまでも没頭していたいと思わせる、甘く濃密な香り。ステージから下りたコックス氏が促してくれる。

「さあ、どうぞ口に含んで、感想を聞かせてください」

ほんの少量を口に流し込むと、静かなフレーバーが舌全体を覆い尽くし、やがて眠っていた感覚を目覚めさせながら止めどなく豊かに広がり始めた。その複雑さに圧倒され、まったく言葉にならない。コックス氏は微笑む。

「そうでしょう。私も同じです。感想を言おうとしても、『おお』とか、『ううむ』とか、言葉にできないのが当たり前です。これは、本当に特別なときだけに飲むウイスキーなのですから」

深い色合いも、シトラスやドライフルーツのフレーバーも、スパニッシュオークシェリー樽原酒を100%使用したことによる特徴が際立っている。口当たりは極めて滑らかで、味わいはただただ深く、余韻も長い。

「水や氷を加えるとバランスが壊れ、フレーバーを損ないます。このウイスキーの魅力を余すところなく味わうには、ストレートがおすすめです」

デキャンタの底には、ボトリングの年が刻まれている。その調合は年ごとに微妙に変わるというから、コレクターズアイテムとして購入するファンも少なくないだろう。

 

1000分の1のシェリー樽を厳選したレアカスク

この日に発売された、もうひとつの贈り物が「ザ・マッカラン レアカスク」だ。酒齡30年以上の長期熟成原酒を含む、16種類の特別なシェリー樽原酒が使用されている。再びコックス氏が解説してくれる。

「Mデキャンタがザ・マッカランの過去を辿る心の旅なら、レアカスクは選びぬかれた樽を称える祝祭。貯蔵庫から1,000分の1という希少なシェリー樽だけを厳選し、スパニッシュオーク、アメリカンオーク、ファーストフィル、セカンドフィル、サイズ違い、ボデガ違い、樽工房違いのさまざまなシェリー樽を組み合わせて構成しました。ウイスキーメーカー(スピリット最高責任者)のボブ・ダルガーノが、自信を持ってお届けするウイスキーです」

ザ・マッカラン特有のリッチなフレーバーを生み出すシェリー樽は、スコッチウイスキー業界でもっとも高額なカスクとして知られている。このシェリー樽をスペインで製造し、シェリーを貯蔵し、スコットランドへ輸送する業務全体に、今年だけで2500万ドル(約30億円)もの巨費を投じるというスケール感がザ・マッカランの凄みだ。

「このウイスキーづくりに関わった、すべての人々を思い起こしてください。スペイン北部の森から樽材を伐り出す木こり。スペイン南部の太陽の下でカスクを焦がす樽職人。ボデガで18カ月の貯蔵をおこなうシェリーの造り手。それぞれの土地の匂い、色、風景、人々、精神、職人芸が渾然一体となって結実したウイスキーです」

高額商品とはいえ、「ザ・マッカラン Mデキャンタ」は売り切れ必至の国内40本限定。一方の「ザ・マッカラン レアカスク」は通年のラインナップに加わる。かつて日本にも住んでいたことがあるというコックス氏は、今回の来日も心待ちにしていたようだ。

「幸いなことに、日本にも長年にわたるザ・マッカランの信奉者がいます。今回の2つのボトルも、その真価を間違いなく理解していただけるでしょう」

グラスを傾けながら、ザ・マッカランを生み出す偉大な自然の恵みと、たゆみない人々の営みが鮮やかに心をよぎった。
スコッチを代表するシングルモルトウイスキー「ザ・マッカラン」の詳細な情報はこちらから。

ザ・マッカラン Mデキャンタ 700ml アルコール度数 44% 700,000円(限定40本)

ザ・マッカラン レアカスク 700ml アルコール度数 43% 25,000円

 

 

 

 

 

 

 

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