162号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

November 4, 2019

from Issue 162

テイスティング:ロブ・アランソン、リンジー・グレイ、ケイト・パックウッド


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

バーンハイム オリジナルケンタッキーストレートウィートウイスキー 7年   7年  45.0%

  • 蒸溜所名: ヘブンヒル蒸溜所
  • 地域: ケンタッキー
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 全世界

ロブ・アランソンSCORE9.6

香り
マーマレードを塗った温かいクランペット、ウィータビックス、脂肪たっぷりの牛乳。甘さと穀物の香り。川の石や塩味のクラッカーのような塩気をかすかに感じる。ガラムマサラやクミンなどのエキゾチックなスパイス、やがてダークチェリーとチョコレート。焼きたてのペストリーと温かい食パンの耳。
盛大な甘味。やがてチェリー風味が分け入ってくる。ベルギーのロールパンや、粉砂糖をふりかけたアーモンドクロワッサン。メンソールの味もして、シャーベット味のキャンディーも感じさせる。
フィニッシュ
香りは絶えずに持続する。タバコの煙とアーモンドのローストが波のように押し寄せる。
コメント
息を呑むような出来栄え。傑出したウィートウイスキーの基準となるべき品質。

リンジー・グレイSCORE8.5

香り
松葉、トフィー味のポップコーン、発泡したチェリー味の清涼飲料水、カンタロープメロンなどを詰め合わせた大きな箱の匂い。父の仕事小屋にある伐りたての木材を思わせるアロマがいつまでも続く。
酸味があるものの、メロンとネクタリンのスムージーやバーベキューで焼いたキウイフルーツなどの味と一緒に洗い流される。やがて靴磨きクリームの匂いがして、オークでローストしたハムや燃えたヒースの小枝のような感触も現れる。
フィニッシュ
驚くほどの甘さが駆け抜け、バターのような舌触りがある。炭火焼きにしたフルーツに、ムスクのような花の香りも現れる。
コメント
薪小屋で供されるコンチネンタルブレックファストのような趣き。



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