183号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

June 24, 2022

from Issue 183

テイスティング:フィービー・カルバー、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ホイッスルピッグ オールドワールド ライ 12年  12年  46.0%

  • 蒸溜所名: ホイッスルピッグ蒸溜所
  • 地域: バーモント
  • 価格帯: £121-180
  • 入手可能場所: 英国、米国、EU

フィービー・カルバーSCORE8.5

香り
アフタヌーンティーを思い起こすような香り。お菓子に振りかけられた粉砂糖のイメージ。バニラ、シナモン入りのビスケット、チョコレートファッジブラウニー。
香りで感じたかすかに人工的な甘味が、口に含むとかなりまろやかでフルーティな印象に変わる。ベリー系果実のコンポート、イチゴジャム、ラムにたっぷり漬けたレーズン、シナモンのスパイス、かすかなフェンネル。
フィニッシュ
フレッシュで穏やかな後味。フェンネルとバニラスポンジケーキの余韻が増してくる。
コメント
複雑なスパイスと甘い風味たちの間で、極めて心地よい相互作用が楽しめるウイスキー。

クリストファー・コーツSCORE9.0

香り
まずはローストしたコーヒー豆の香りと土っぽいアロマが波のように押し寄せる。粘土でできたオーブンに、炭の粉が残っているような匂い。スレート(石材)を切り出した匂いや、苔むす湿った林床のような趣き。藪に生えているキイチゴやベリー系果実。ブランデーのように魅惑的なワインのアロマ。
分厚い口当たりで、唾液を誘うゴージャスな風味。甘い赤いベリー系果実ソースのような味が、ドライながら深みもあるシリアルの味と拮抗している。チョコレートビスケット、オレオ、カンノーロ(イタリアのペストリー)、インペリアルスタウトのビール。
フィニッシュ
全粒粉パンのような後味に、極めてまろやかなオーク材由来のスパイス。
コメント
ベリー系果実と黒っぽいシリアルのフレーバーが、華やかに織り込まれている。このコンビネーションは実に見事だ。



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