山崎蒸溜所 新蒸溜釜設置工事開始

July 11, 2013

 

ウイスキーづくり90周年を迎えるサントリーが山崎蒸溜所に新たな生産設備を増設

年々ウイスキー販売実績を順調に伸ばしているサントリー酒類株式会社が、市場の更なる拡大を見込んで山崎蒸溜所の生産体制を強化した。

今回山崎蒸溜所に新たに導入されたのは単式蒸溜釜(ポットスチル)4基(初溜・再溜各2基ずつの2対)。現在稼働しているのは6対12基なので、合計で8対16基となる。これによって生産量は現在の約4割増になるとの見通しだ。山崎蒸溜所では2006年に改修を行い3対6基が新しくなっているが、増設は1968年以来、実に45年ぶりなのだそうだ。

また、滋賀県東近江市の「近江エージングセラー」に貯蔵庫1棟を増設、同施設は計20棟の大規模な貯蔵施設となる。この増設で近江エージングセラーの収容可能量は約4割増、サントリーウイスキーの樽の総収容可能量は約1割強増になるとのこと。こちらの貯蔵庫の完成は2014年夏を予定している。

蒸溜所では7月2日より新しいスチルの設置作業が行われた。あまり見る機会のない(なんといっても45年ぶり!)増設の様子をご覧いただきたい。写真に写っているのは1基のみだが、ストレートヘッドで円錐のような形に見えるスチルだ。ボディのしっかりしたスピリッツを生み出すように思われるが、その後どのような樽で熟成し、いかにブレンディングに影響を与えるのかと興味は尽きない。

昨日10日で設置を終え、今後は8月末には工事が完了、9月からテスト稼働を行う。10月には稼働を開始する予定とのこと。
90周年に増設されたこの新しいスチルでつくられたスピリッツ。10年後には100周年を記念するウイスキーに使われているのだろうか? 非常に待ち遠しいが、こればかりは時間をかけて熟成を待つほかない。皆さんも楽しみにお待ちいただければと思う。

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