ウイスキークッキング・11【インド料理 前半/全2回】

April 17, 2015

ウイスキーとフードペアリングの可能性を探る連載、第11回目はインド料理について。前半では、インド料理とウイスキーの考察、ウイスキーとともに愉しみたい現代風インド料理のレシピをご紹介する。

スパイス、ハーブ、生鮮材料は、何世紀も前からインドの不可欠な一部だった。インドの人々は自国の食物を愛し、食物はインド各地の民間伝承の一部を成している。インドの豊かな料理文化の伝統は、食の世界史の重要な一部だ。レシピは何世代にもわたって受け継がれてきた。母親や祖母たちは鍵のかかる箱に入れて家族のレシピを守り、次の世代に手渡す。

健康のためにハーブを使うことにも重点が置かれてきた。インド料理には、風味と芳香を加えるハーブと薬味がたっぷり使われ、ニンニク、ターメリック、フェヌグリーク、カルダモンなど、それぞれが料理法と健康のために役割を果たしている。さらに、インド料理は実に多様であり、地元の農産物とスパイスを利用した地方色がある。気候、言語、そして土壌が地域の農産物を決定し、季節や天候によっても料理が変化する。

この数年で世界中に広まったインド料理は、各地の最高のレストランでも提供されて、レベルが進んだように見えるが、基本は変わっていない。ヨーロッパ、英国、米国のインド料理店は、地元の材料を使って一般的なインド料理を軽めにアレンジして出しているし、世界中の人々がインド料理を楽しんでいるとはいえ、本物かどうかには程度の差がある。

一方、興味深いことに母国では、世界的になったインド料理に新たな革新が起こりつつあり、シェフたちがインド料理を作り直して「現代インド料理」とでも呼ぶべきものを生み出している。材料、風味、そして盛り付けの研究を続け、真新しい料理に変貌させているのだ。

ニューデリーにあるタージマハール・ホテルのシェフ長 アミット・ チョウドフリーによると、「伝統的なインド料理は常に真っ先に望まれますし、世界中で好まれるでしょう。インド国内でも、伝統的なインド料理が一番であることは変わらないと思います。マサラ・グレービーやドライフルーツベースのソース、クリーミーな質感などが中心です。それでも、今では人々がオイリーなグレービーから遠ざかりつつあり、軽いソースと新鮮な食材を好んでいます。軽めの料理、よりソフトな材料を楽しむ方向に進化していて、やはりハーブとスパイスが使われますが、軽さと風味の抽出に重点が移っています」

過去ウイスキーと料理のペアリングという世界に初めてインド料理を持ち込んだときには、たいして成功しなかった。伝統的なインド料理にはオイルや強いスパイスが使われていて味覚が麻痺してしまうため、ペアリングは上手く行かないようだった。しかし、数年のうちに変貌を遂げたインド料理は、さまざまなウイスキーとよく合うと思えるようになった。
私たちはウイスキーとインド料理をひとつずつ組み合わせた見本を作り、インドの国民的な飲み物であるウイスキーとの素晴らしい関係を発見した。
現代インド料理は見栄えが良いため、素晴らしい食器に料理の色彩がマッチし、さらにウイスキーの黄金色がよく似合うという視覚的な喜びも加味される。

ここでレシピをひとつご紹介する。
伝統的な料理法を踏まえながら進化する新しいインド料理をお試しいただければ、きっとお分かりになるだろう。
軽やかだがコクのあるフレーバーで、ウイスキーの種類を問わずペアリングが楽しめる。
もしスパイスを多めにしたいのであれば、ハイボールに合わせよう。

 マライ・チキン・ティッカ

1. 骨なしの鶏肉(1kg)を一口大にカットする
2.  レモンジュース、塩を絞りかけ、少し休ませる。
3. 塩、すりおろしたショウガとニンニク、グリーンチリ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、唐辛子、オイルとクリームチーズを混ぜてペースト状にする。
4. 3に無糖のヨーグルト、バター、生クリームをさらに混ぜる。
5. 2の鶏肉を4のペーストに混ぜ、冷蔵庫で4時間マリネする。
6. バーベキューグリル、またはグリルに火を入れる。
7. 串に油を塗る
8. マリネした鶏肉を串に刺し、グリルで焼く。
9. 肉にこんがりと色がつき、油が落ちるまで20分程度焼く。途中でマリネに使ったペースト、バターを表面に塗る。
10. 火から下ろし、ガラムマサラ、レモンジュースを振りかける。
11. ミントチャツネや軽く焼いたパンを添えて、温かいうちにサーブする。

【後半に続く】

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