オールドプルトニーの200周年を祝って【第3回/全3回】
文:WMJ

記念ボトルを手掛けたサラ・バージェス(マスター・オブ・ウイスキー・クリエーション)は、東京で開催された200周年イベントのために来日した。メイン写真は少数ながら日本市場でも販売される「オールドプルトニー50年」(写真右)と「オールドプルトニー30年」。
もともとのプルトニー蒸溜所は、他の多くのモルト蒸溜所と同じように、ブレンデッドウイスキー用の原酒を供給するのが事業の中心だった。その海風のような個性が前面に出てくるのは、インバーハウスがシングルモルトの販売に注力しはじめた1997年以降のことである。
このたびオールドプルトニー200周年を記念して発売されたボトルは3種類ある。このうち蒸溜所限定の「オールドプルトニー10年」は、ウィックにある蒸溜所を訪問した人だけが購入できるアイテム。だが残りの2種類は、希少ながら日本にも割り当てがある。
正規輸入代理店の三陽物産によると、「オールドプルトニー50年」は世界限定200本のみという希少な商品だ。日本への割り当ては3本である。また「オールドプルトニー30年」は世界限定1,000本で、日本への割り当ては10本。希望小売価格はそれぞれ400万円と35万円(税抜価格)だ。
三陽物産は2007年にインバーハウスと契約を結んで以来、オールドプルトニーの味わいを日本のウイスキーファンに届けてきた。そしてこのたび、蒸溜所の200周年を祝って盛大な記念イベントを東京で開催した。
このイベントにあわせて本国スコットランドから来日したのは、特別商品をボトリングしたインターナショナル・ビバレッジのサラ・バージェス(マスター・オブ・ウイスキー・クリエーション)だ。サラは定番品3種類と限定品「オールドプルトニー30年」のテイスティングをガイドしてくれた。
重層的な香味を潮風が包み込む
日本で10本のみが販売される「オールドプルトニー30年」は、砂糖をまぶしたアーモンドと甘いオークの香りで始まる。洋梨や青リンゴなどのジューシーな果実香が重なり、トフィーやほのかな柑橘の香りも加わる。繊細な花の香りが、革製品やタバコのニュアンスとも混ざりあい、すべてが軽やかな海風で広がっていく。
口に含むと、鮮やかな柑橘と洋梨の風味があり、塩キャラメルや焼きリンゴの風味も広がる。シナモンやナツメグなどのスパイスが、ウッディな樽の感触や繊細な花のニュアンスに絡み合う。甘みはひたすら重層的で、長い余韻には優雅な海辺の余韻がずっと残っている。アルコール度数は、カスクストレングスの50.4%だ。
ちなみに日本で3本しか販売されない「オールドプルトニー50年」は、半世紀にわたる揮発を経てアルコール度数は40.8と低めだ。しかしその香りは力強く濃厚で、海風のような塩気が際立っているのだとサラは説明する。
オールドプルトニーを初めて味わうなら、まずは定番の「オールドプルトニー12年」がおすすめだ。バーボン樽での熟成によって、スピリッツと製造地の特性がまっすぐ表現されている。バニラやフルーツの甘みが親しみやすく、そこに優雅な潮風が吹き抜ける味わいはまさに「海のモルト」という印象である。
熟成年が長めの定番品には、「オールドプルトニー15年」「オールドプルトニー18年」「オールドプルトニー25年」がある。いずれもシェリー樽熟成の原酒が加わり、重層的な香味が増していく。
また三陽物産では、かすかにピートが香る「オールドプルトニー ハダート」とフレッシュな飲み心地の「オールドプルトニー バーバー」も取り扱っている。さらには沿岸部で生産されるお酒とコラボする「コースタルシリーズ」から第1弾の「ピノ・デ・シャラント」を発売した。また甘口リキュールの「オールドプルトニー ストローマ・リキュール」もバーテンダーに評価されている。
すべてのボトルに共通しているのは、海に向かって深呼吸するような塩気のニュアンスだ。
オールドプルトニーのハイボールは食前酒に最適だが、フードとの相性も万能である。記念イベントでは、ニシンとの縁を想起させるカズノコ入りカナッペとの相性が秀逸だった。オンザロック、ストレート、各種カクテルなど、その繊細な個性を味わう方法は無限である。






