東京青山にニッカの旗艦店がオープン
ニッカウヰスキー創業記念日の7月2日に開店する「THE NIKKA WHISKY TOKYO」。新しいフラッグシップバーの魅力を一足先にチェック。文:WMJ
ニッカウヰスキーは、竹鶴政孝が創業した日本を代表するウイスキーメーカーだ。国内ではスコッチの伝統を継ぐ老舗ブランドとして知られるが、海外ではむしろ革新的でクリエイティブなジャパニーズウイスキーの象徴でもある。
今やグローバルブランドとなったニッカは、8年後の創業100周年を見据えて「生きるを愉しむウイスキー」というコンセプトを掲げている。酔うためではなく、人生を楽しむためにウイスキーを飲んでほしい。そんな竹鶴政孝の願いを現代に伝え、誰もが自分らしく安らぎの時間を楽める文化の提唱だ。
そんな新しいニッカの世界観が、そのまま具現化されたようなバーが東京青山で7月2日に開店する。「THE NIKKA WHISKY TOKYO」は、洗練された飲食やグッズなどを通してウイスキーやスピリッツの多様な魅力に触れられる場所だ。お酒を楽しむバーにとどまらず、イベントやセミナーの会場としても活用されるという。
ニッカウヰスキー代表取締役社長の小野直人氏が、新しい旗艦店のオープンに際して思いを語った。
「デジタル化で人々が利便性を享受する一方で、孤独化などの社会課題が顕在化しています。ニッカウヰスキーの商品や場を通じて、人と人が意味のある関係性を構築する一助になりたい。海外のお客様にもニッカウヰスキーというブランドを知っていただき、日本の魅力をより深く感じていただければと願っています」
バーが所在する南青山には、2022年までニッカウヰスキー本社があった。本社ビル地下の「NIKKA BLENDER’S BAR」は、本場スコットランドの老舗パブを思わせる重厚な空間だった。このたびお披露目された新しい旗艦店は、5年間に起こった時代の変化を感じさせる。まるでウイスキーの未来を先取りしたような印象である。
この「THE NIKKA WHISKY TOKYO」のプロトタイプは、期間限定のポップアップバーとして開店したことがあった。創業90周年の2024年に表参道でオープンし、4ヶ月半で1万5000名が来店。その約半分が 20〜30代の若年層で、女性が約4割超を占めた。この新しい消費者像も、ニッカが進むべき方向性をはっきりと指し示した。
現代ウイスキー文化の発信地
このたびオープンする「THE NIKKA WHISKY TOKYO」は、青山通りの喧騒を離れた路地に面している。モダンで開放的な入口から、ガラス越しの壁に投影された光と色彩が人々を誘い入れる。これはラベルを取り去ったニッカ製品のボトル群による「No Labels」というテーマのインスタレーションだ。
頭上にウイスキー樽が設置された通路を抜けると、心地よいバー空間が広がっている。客席をぐるりと囲むカウンターには開放感があり、バーテンダーたちの仕事がよく見える。カウンターとテーブルは、ニッカの原酒を熟成した樽材から飛騨産業が制作した。トイレには宮城峡蒸溜所の貯蔵庫のレンガを取り寄せ、蒸溜所を訪問しているような没入感が楽しい。
もちろんニッカの定番商品はすべて揃っており、ハイボールやオンザロックなどのあらゆるスタイルで自在に楽しめる。多様なニーズや嗜好に応えるため、ノンアルコールやローアルコールの選択肢も拡充しているのも現代的だ。
だがこの旗艦店で、特に注目したいのはミクソロジーだ。元バーテンダーであり、ニッカウヰスキーのマーケティング部に所属する中村純氏が、各製品のブランドマネージャーたちと話し合いながら考案した傑作カクテルが揃っている。
「竹鶴 ゴッドファーザー」は、ニッカの人気定番「ピュアモルト竹鶴」をベースにしたカクテルだ。バレルエイジドコーヒーや仙台味噌も隠し味に使用し、爽やかな飲み口の背後にどこまでも深い余韻がある。また「シングルモルト宮城峡」のファンなら、湯浅醤油でコクを加えたという「宮城峡 マンハッタン」も見逃せない。さらには「フロム・ザ・バレル」をベースにしたネグローニ風の「バレル ブールヴァルディエ」など、他では味わえないユニークな味覚体験の連続だ。
ここは堂々たる旗艦店といった威容よりも、パーソナルなあたたかさに満ちている。隠れ家のようでありながら開放感にあふれ、誰かを誘って過ごしたい居心地の良さが魅力だ。往年のファンなら、ニッカゆかりの地で直営店の復活を祝いたい。ウイスキーやバーのビギナーにとっては、新しい世界の扉を開くきっかけとしても最適な場所になるだろう。
バーの入り口付近には、井関潤治チーフブレンダーの素朴な言葉が掲げられていた。
「ウイスキーは、好きに飲むのがいちばんおいしい」
ここでは一切の気取りを忘れ、新しいウイスキー体験を愉しむのが正解だ。ニッカウヰスキーのフラッグシップバーで、未知のお気に入りをたくさん見つけてみたい。
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THE NIKKA WHISKY TOKYO東京都港区南青山5-6-6(1階) |
生きるを愉しむウイスキー。ニッカウヰスキーのブランドサイトはこちらから。







