ロンドン バーめぐり その1[全3回]

July 23, 2012

ロンドンは1948年以来のオリンピックを間近に控え、近代オリンピックでは初めて3回目の開催を経験する都市になろうとしており、この英国の首都に世界の注目が集まっている。

ロンドンはウイスキー愛好家にとっても、行きたい場所のトップ10に入るはずだ。古くからのものも近代的なものも含めてあまりにも多くのウイスキー店や酒場があるこの首都は、他のどこにもないような珠玉のウイスキーを提供する店やバーの探訪に最適と言える。この全3回のシリーズでは、今夏ウイスキー界の金メダルを目指すロンドンのバーをいくつかご紹介する。


Albannach
(アルバナック)

66 Trafalgar Square, London WC2N 5DS 電話:+44 (0) 20 7930 0066
ロンドン初のウイスキー専門バー/スコットランド料理店のひとつ。ここのメニューはウイスキー通の好みの変化を反映して、稀少なアイラモルトやアイランドモルトと並んで日本など他の国の逸品にも重点が置かれている。
特に嬉しいものとしては滅多に見られないラガヴーリン25年、希少な山崎1986ミズナラカスク、そして1杯761ポンドとこのバー最高価格のバルヴェニー50年カスク#191がある。その1杯が50mlあると言えば、少しは気が楽になるだろうか。
高額商品とは別に、様々なタイプのウイスキー愛好家および予算に合わせて、念入りに工夫された多くの試飲メニュー「ウイスキーフライト」もある。その中の「ソムリエズ・チョイス」は、飲む人の喜びをそっと広げてゆくように、熟成ブレンドからバルヴェニーのポートワインフィニッシュの傑作まで5種類のウイスキーがチョイスされている。


All Star Lanes
(オール・スター・レーンズ)

95 Brick Lane, London E1 6QL 電話:+44 (0) 20 7426 9200
The Lexington(シリーズ第2回に登場)同様、なかなかお目にかかれないバーボンやライなどの有名なアメリカンウイスキーを取り揃えているこの店が、ロンドン代表に選ばれるのは少々意外かもしれない。
しかし、ここの最大のセールスポイントはおそらく、バーの隣にある1950年代のスタイルを忠実に再現したボウリング場でボウリングのスーパースターにでもなったような体験ができることだろう。ガラスのジャム瓶で出されるエヴァン・ウィリアムズのハニーバーボンベースのカクテル「ハニーポット」を片手に、カルトなTVドラマ「マッドメン」に出演している気分に浸ってみようか。


The Athenaeum Hotel
(ジ・アテナエウム・ホテル)

116 Piccadilly, Mayfair, London W1J 7BJ 電話:+44 (0) 20 7499 3464
ロンドンのホテルバー事情は過去10年間に劇的な発展を遂げ、一流どころではウイスキーリストを大幅にグレードアップしている。コバーグ・バーなどの成功に続いてアテナエウムも、世界中の逸品専門のリストを用意している。
姉妹店のザ・リブ・ルーム・バー&レストランも、売り物の「ブレイザー」カクテルが特筆に値する。グレンモーレンジィ アスターとビンテージもののスイートベルモットがベースのカクテルで、客の近くでドラマチックに火を点けてミックスする様子には目を奪われる。


Boisdale
(ボイスデール)

15 Eccleston Street, London SW1W 9LX 電話:+44 (0) 20 7730 6922
ロンドンのすべてのウイスキーバーの父として名高いエクレストン・ストリートのボイスデールにはひとりの息子があり、多くの子孫同様に父親をしのぐまでに成長した。それがボイスデール・キャナリー・ウォーフ、ロンドン東部の再開発高級地域ドックランズに位置する巨大な建物だ。
ジャズ中心のミュージックホールも兼ねたボイスデールは、途方もなく希少なものやビンテージもの、滅多にお目にかかれないものなど500種類以上を取り揃えたウイスキーの宝庫だ。メニューにないウイスキーカクテルがお望みなら、マネージャーのハナ・ランフィア率いるチームが速やかに好みを確かめて、本当に特別な一品をあつらえてくれる。


The Britannia(ザ・ブリタニア)

44 Kipling Street, London SE1 3RU 電話:+44 (0) 20 7403 1030
ここを知る人は多くはあるまい。下町のサウスロンドンにあり、ごく普通のパブのように見えるドアの背後に秘密が隠れている。ひとたび中に入ると、バーカウンターの後ろの棚に150種以上のシングルモルトスコッチ、バーボン、アイリッシュや世界のウイスキーが並ぶ光景に驚かされる。
気取りもてらいもない雰囲気の中、親切で知識豊かなスタッフが初心者から専門家レベルまで誰にでも、きさくに注文の相談にのってくれる。謙虚な気持ちになる実に有益な体験。

シリーズ第2回は間もなく掲載。お楽しみに。

 

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