対極な個性のキーモルトが交差する、異色のブラックニッカが新登場

May 8, 2017


ハードでありながら、芳醇で豊かなコクがある。新発売の「ブラックニッカ クロスオーバー」は、対極の個性が交差するスリリングなウイスキー。驚きの風味をチーフブレンダーの手引きで体験した。

文:WMJ

 

ラベル中央には、おなじみの「キング・オブ・ブレンダーズ」。2色の炎のモチーフで、2つのキーモルトが織りなす個性を表現している。

昨年にブランド創設60周年を迎えたブラックニッカは、今年中に3種類の数量限定ボトルを発売する予定である。その第1弾は、3月28日に再発売された「ブラックニッカ ブレンダーズスピリット」。3週間で発売予定数量の9割を販売し、すでに完売間近である。購入者の7割が複数本を購入しているデータから、シリーズへの期待の高さがうかがえる。

そして数量限定ボトルの第2弾が、5月23日に発売される「ブラックニッカ クロスオーバー」だ。このボトルは、どうやら今まで通りのブラックニッカではない。商品の案内には「第一印象を欺くスリリングな展開」「予想は、鮮やかに裏切られる」などといった刺激的な言葉が並ぶ。「ブレンデッドウイスキーと聞いて思い浮かべる、穏やかな調和を決して期待してはいけない」とまで謳っている。

「クロスオーバー」という名称は、2つの要素が交差することの含意。つまりは2種類のキーモルトのことだ。力強くハードな余市蒸溜所の「ヘビーピートモルト」と、華やかで甘美な宮城峡蒸溜所の「シェリー樽モルト」の両方の特徴を引き出し、ハードでありながら芳醇で豊かなコクが楽しめる味わいに仕上げているのだという。

 

ブレンデッドウイスキーの常識を打ち破るスリリングな味わい

 

ニッカウヰスキーチーフブレンダーの佐久間正氏が、新商品のテイスティングを手引きしてくれる。目の前には3つのグラス。「ブラックニッカ クロスオーバー」の他に、キーモルトである「宮城峡シェリー樽原酒」と「余市ヘビーピート原酒」が並べられている。

「まずはブラックニッカ クロスオーバーのグラスを手にとってください。最初からピートの香りが感じられるはずです」

はっきりとしたピートの香りが突き抜ける。オーク樽由来のバニラ香、チョコレート、シナモンなどのスパイスを感じ、モルト香だけでなくカフェグレーン特有のまろやかさも全体を包んでいる。鼻腔の浅い部分に広がる甘い香りが、シェリー樽ならではの特徴だ。

口に含むと、さまざまな味が先を争うように走り出す。ガツンとくるピート風味。樽由来のほのかな苦味。広がりのある甘いシェリー風味。ピートのドライな後味は、舌の上にも鼻腔のなかにもしばらく残っている。

キーモルトは「宮城峡シェリー樽原酒」から味わってみる。サルタナレーズンのような、鼻腔全体に広がるやわらかなドライフルーツの香り。口当たりはとても甘く、シェリー樽のなかでも特に甘味の強いシェリーを貯蔵した樽を使用しているのだと佐久間氏は説明する。

極めて特徴的な2種類の原酒をキーモルトに用いた特別なブラックニッカ。個性と個性がぶつかりあうスリリングな味わいだ。

一方の「余市ヘビーピート原酒」は、非常に個性の強いウイスキーである。冒頭からピートの一撃があり、蒸気機関車が走り去ったような煙の匂い。用意してくれたのは新樽貯蔵の原酒ということもあり、木の甘味、スパイス、オレンジの皮のような渋み、ダークチョコレートなどの風味が顕著だ。

「2つのモルト原酒を味わったところで、クロスオーバーに戻ってみましょう。これまでに感じてきた、さまざまな要素がそこかしこに見え隠れするのがわかりますか?」

対照的なモルト原酒の要素が交差し、追いかけあうようなスリル。これをひとつにまとめ上げたブレンディング技術の妙に驚いた。

 

前例のないチャレンジで、ウイスキーをもっとおもしろく

 

このような型破りな商品が、なぜ生まれたのか。開発を進めてきた佐久間氏が、その真意を明かしてくれた。

「ウイスキーの面白さを広げるため、昨年から前例のないブレンドにチャレンジしてみようと考え始めました。何かガツンと来るような驚きをもたらしたい。本道から外れてもいいし、嫌いな人がいても構わない。ディスカッションとテイスティングを重ねながら、さまざまな組み合わせを試してここにたどり着きました」

ニッカウヰスキーの看板ブランドである「ブラックニッカ」は、昨年より「ウイスキーって、おもしろい。」というテーマでウイスキーの魅力の普及に努めている。アサヒビールの笹原俊一マーケティング第三部長によると、「ブラックニッカ」ブランドの1~3月累計販売量はすでに80万箱(前年比125%)を突破。今年全体で5年連続の過去最高売上更新となる340万箱(前年比106%)を目指すという。このような人気に応えるため、モルトウイスキーは2015年比で180%、グレーンウイスキーが2015年比で185%という大幅な増産体制も敷いている。

ユニークな数量限定ボトルの他、「ブラックニッカ」ブランド全体でも父の日に向けたキャンペーンがおこなわれる。店頭の「ブラックニッカ クリア」「ブラックニッカ リッチブレンド」「ブラックニッカ ディープブレンド」に、タンブラー1個とニッカウヰスキーアンバサダーである玉山鉄二さん推奨のハイボールレシピが付いたお得なパックだ。

伝統を守りながら、未知の領域にも果敢に挑むニッカウヰスキーのブレンダーチーム。個性豊かな限定ボトルで、新しいウイスキーの面白さを体験してみよう。


ブラックニッカ クロスオーバー

 
アルコール分:43%

容量:瓶700ml

発売日:2017年5月23日(火)

価格:オープン価格 *参考小売価格:2,000円(消費税別)

限定数量:11,000箱(*1箱=700ml×12本)

 

ブラックニッカ60年の歴史、商品、キャンペーンなどの詳細がわかるオフィシャルサイトはこちらから。

 

 

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