「ザ・グレンリベット ガーディアンズ チャプター」レポート
ザ・グレンリベットの新たな試み「ガーディアンズ チャプター」をレポート。
9月30日に大阪で行われた「ザ・グレンリベット ガーディアンズ・パーティー」。こちらはザ・グレンリベットのファンクラブともいえる会員制組織「ガーディアンクラブ」の会員100名を対象に行われたイベントであったが、ただのテイスティングイベントとは大きく異なっていた。「ガーディアンズ チャプター」という興味深いプロジェクトが関連しているのだ。
これはザ・グレンリベット蒸溜所マスターディスティラー アラン・ウィンチェスター氏がデザインした3種類のウイスキーの中から、参加者の最も評価の高いものを限定品として商品化するという企画である。
こちらのプレス向けテイスティング会が東京でも行われたため、ウイスキーマガジン・ジャパンも参加させていただいた。
インターナショナル・ブランドアンバサダーのイアン・ローガン氏は
「どれが優れているということではなく、直感で『好きだ』と思うものを選んでください。あなたの好きなものを知っているのはあなただけです。こうして探すことで、ご自身が本当に好きなものを改めて知る機会になればと思います」と話し、ザ・グレンリベットの今回のプロジェクトを紹介した。
テイスティング会に先立って、ローガン氏へのインタビューをさせていただいたので、こちらは後日改めてご報告しよう。
各自の席の前に並べられたのは4種類のウイスキー。ベンチマークとなる12年、それから3つのサンプルは、それぞれ「クラシック」「リバイバル」「エキゾチック」と名付けられている。それぞれの度数は比較しやすいよう48.7%に揃えられ、年数もほぼ同じ。
「クラシック」はこれまでのザ・グレンリベットのスタイルを継承した、いわば王道のタイプ。
「リバイバル」1859年に蒸溜所を引き継ぎ、ビジネスを盛り返したジョン・ゴードン・スミス氏(創業者の息子)のスタイル。
「エキゾチック」はこれまでのザ・グレンリベットとは違う、ちょっと冒険したスタイルだ。
それぞれのテイスティングの本誌記者の感想は以下の通り。
クラシック
オレンジの皮をきゅっと絞ったようなさわやかな香り。若葉。レーズンなどの重厚さもある。味わいは蜂蜜やキャラメルのリッチな甘さ、フルボディ。
リバイバル
バーボン樽のバニラ香が華やか。瑞々しい洋ナシ。ミントの爽快感も感じられるが、クリーミーでフルーティ。力強く生き生きとしている。
エキゾチック
シェリーが広がる。完熟したマンゴーやマーマレードの濃厚な甘さがダークチョコレートのかすかな苦味やスパイシーさとバランスが取れている。
それぞれ日本の食材とのフードペアリングも提案されている。
「クラシック」は「ザ・グレンリベット・アルファ」のテイスティング会にも登場した香川県の和菓子「名物かまど」。白餡のほのかな甘みが思った以上にウイスキーと馴染む。
「リバイバル」は水茄子。さっぱりとした口当たりと柔らかい酸味が舌を引き締めてくれる。
「エキゾチック」には秋田県の名物「いぶりがっこ」。燻製と漬物特有の香りは、ウイスキーのおつまみとしても人気の出そうな食材だ。香りは好みが分かれるので、薄めのスライスや千六本にカットしたものを他の食材(軽めのチーズや湯葉?癖がなくまろやかなもの)と合わせても面白いかもしれない。
一通りのテイスティングが終了し、ついにこの3つの中から1つだけを選ばなければならない時がやってきた。投票用紙にチェックを入れ、ローガン氏が回収。その後、会場内の全員が挙手で自分の選んだウイスキーを表明した。
これまで自分の意見は、各自の判断に影響しないよう隠してきたローガン氏だったが、「クラシック」の挙手が多いのを見て「Yes!」と小さくガッツポーズ。「クラシック」がお好みだったようだ。
ちなみに本誌記者の意見としては…Mはバランスの良さと柔らかさで「クラシック」に一票。Oはキャラクターが強く芳醇な「エキゾチック」を選択した。
さて、商品化されるのは一体どのタイプになるのか?世界18か国で同様のテイスティングイベントを開き、膨大な数の意見をまとめ上げて、最終発表は本年12月となる予定。製品はザ・グレンリベットの限定品として、来年5月頃の発売となるとのこと。この「ガーディアンズ チャプター」に参加された方はもちろん、そうでない方も、ザ・グレンリベットの新しい試みと「ファンが選んだウイスキー」の登場を楽しみにお待ちいただければと思う。