アイコンズ・オブ・ウイスキー 2025【第1回/全4回】
今年で第23回目を迎えた「アイコンズ・オブ・ウイスキー(以下IOW)」は、ウイスキーマガジンの発行元でもある英国パラグラフ・パブリッシング社主催の世界的なコンテスト。「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」が製品としてのウイスキーを対象とするのに対し、IOWは世界のウイスキー業界に著しい貢献を果たした企業、蒸溜所、人物、チームなどを表彰する。2025年の受賞者を全4回に分けてご紹介。
ディスティラー・オブ・ザ・イヤー
ホーリールード蒸溜所(スコットランド)
ホーリールード蒸溜所が創立時から掲げる目標は、ウイスキー製造における革新的な新手法を模索しつづけること。品質において決して妥協しない蒸溜所は、これまでのさまざまな実績によってその真価を証明してきた。高度な透明性、地域社会への貢献、新商品リリースごとに示される個性的なアイデア。ウイスキーづくりに従事するチームが、技術と英知を結集してウイスキー業界に影響を与えている。
入賞
マスターディスティラー/マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤー
ステファニー・マクラウド/デュワーズ(スコットランド)
ステファニー・マクラウドは、スコッチウイスキー業界を代表するブレンダーのひとり。デュワーズに入社した1998年から専門知識と経験を極め、2006年にデュワーズ史上初の女性マスターブレンダーとなった。これまで15年以上にわたってマスターブレンダーの重責を担い、樽の管理やブレンディングを統括。幅広い味わいスコッチウイスキーを展開するデュワーズで、おなじみのハウススタイルを守っている。
入賞
クラフトプロデューサー・オブ・ザ・イヤー
キロウェン蒸溜所(アイルランド)
アイルランド最小の生産者としても知られるキロウェン蒸溜所は、機械化を最小限に抑えた伝統的なウイスキー製造にこだわっている。モーン山脈を間近に望むノックナシー側の大地で、地元産の穀物と手作業によるていねいなウイスキーづくりを実践。効果的なパッケージングなども消費者の啓蒙を促進している。
入賞
サステナブルディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
ノックニーアン蒸溜所(スコットランド)
サステナブルなウイスキーづくりの新しい形を切り開く。ノックニーアン蒸溜所は、そんな意図を公言しながら設立された。大胆なパッケージングだけでなく、環境政策の利害関係者を巻き込んでネットゼロに向けた取り組みを続けている。業界をリードする環境保護の方針は今も進化中で、ここ1年間にわたる継続的な改善にも傑出したものがあった。
入賞
ディスティラリーマネージャー・オブ・ザ・イヤー
ジェイ厶・ジョーダン/アイリッシュ・ディスティラーズ(アイルランド)
ジェイ厶・ジョーダンは1999年にウイスキー業界でのキャリアをスタート。アイリッシュ・ディスティラーズのボトリング施設「フォックス&ギース」で瓶詰めの現場監督として勤務した。その職務で優れた能力を発揮したジェイミーは、品質保証、材料調達、生産などの各分野でさまざまな上級管理職を歴任。入社20年で女性初のミドルトン蒸溜所ゼネラルマネージャーに就任した。現在はスタッフ総勢220名と共にアイリッシュ・ディスティラーズの製造部門を監督している。
入賞
ビジターアトラクション・オブ・ザ・イヤー
ポールジョン蒸溜所(インド)
ポールジョン蒸溜所のビジターセンターには、インドのスピリッツ業界で初めての試みが満載だ。ポール・P・ジョン会長の依頼で地元ゴア出身の建築家が設計し、蒸溜責任者のマイケル・D・スザーザが自ら施工。建築デザインは、インドとポルトガルが融合した伝統のゴア様式を反映している。ビジターセンターでは、ワールドクラスのシングルモルトウイスキーとプレミアムクラフトジンの製造技術が体験できる。インド国内で他社に先駆けて一般公開され、ゲスト体験の向上に努めている。
入賞
シングルエステート・オブ・ザ・イヤー
アービキー・ハイランド・エステート(スコットランド)
アービキー・エステートは、アンガス州の東海岸に位置する家族経営の農場である。アービキー蒸溜所におけるスピリッツ蒸溜の工程は、アービキー・エステートの畑から始まる。入念な植え付け、種まき、手入れなどを経てようやく収穫された作物が蒸溜所に運ばれてくる。そして製粉から瓶詰めまでの全工程が、同じ屋根の下で完了するのだ。
入賞
地区別の候補者も含めたアイコンズ・オブ・ウイスキーの全容はこちらから。