夜の読書に最適なウイスキーが数量限定発売【後半/全2回】
文:WMJ
編集者、書評家、書店員による「読書と一緒に楽しむウイスキー」をテーマにした対談は続いている。ミステリーをはじめ幅広いジャンルに詳しい杉江松恋氏が、ウイスキーに合った本の選び方について教えてくれた。
「ウイスキーは近所のバーにボトルをキープして、ちょっとずつ飲んでいます。右手にグラス、左手に本でツマミも要りません(笑)。飲みながら読む本には、難解な本は不向き。楽しい物語や冒険ものがいいでしょう。どこで読み終わってもいい長編のエッセイなどもおすすめ。夏目漱石の『吾輩は猫である』は、まさにそんな好例です」
杉江氏が、新しい数量限定ボトル「ブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ」のオンザロックに口をつけた。
「後味がよく残るので、ちびちび飲むのに向いていますね。オンザロックでゆっくり飲めるお酒は、特に読書に向いています。口のなかで玩弄しながら、すぐに終わらなそうな味わいがいい。これなら本と一緒に長い夜を楽しめそうです」
もともとウイスキーファンだというマルノウチリーディングスタイル店員の宇野めぐむ氏も、新しい「ナイトクルーズ」の味が気に入ったようだ。
「北海道生まれということもあって、スモーキーな味わいが余市蒸溜所の思い出を呼び起こしてくれます。水と一緒に飲むと、バニラのような甘さがふんわりと香るのに気づきました。これなら一人で飲んでも寂しくないですね」
このウイスキーのブレンディングを担当したのは、ニッカウヰスキー主席ブレンダーの二瓶晋氏である。宇野氏の感想を聞いて、思わず顔をほころばせた。
「ストレートのウイスキーに少し水を加えるだけで、裏に隠れていた香りが顔を出してきます。このウイスキーでもバニラやリンゴの香りが現れて、スモーキーなピート香も変化していくのがおわかりいただけるでしょう。バニラを思わせる甘い樽香は気分をリラックスさせてくれるので、きっと読書の時間にもよく合うのではないかと思います」
ビターな余韻と新樽の甘さで深みを増したブレンド
60年以上の歴史を持つ「ブラックニッカ」は、ウイスキーファンの幅広い嗜好に応えてくれるブレンデッドウイスキーだ。すっきりとした軽やかな味わいが特長の「クリア」、華やかな香りと芳醇なコクが特長の「リッチブレンド」、濃厚でしっかりとした飲みごたえが特長の「ディープブレンド」を中心に構成されている。
そんな「ブラックニッカ」のラインナップの中でも、特にオンザロックやストレートで美味しく楽しめるのが「ディープブレンド」だ。2018年9月にパッケージをリニューアルし、「大人の夜を楽しむ」「夜の深みに旅に出る」というコンセプトを打ち出したことが反響を呼び、8か月連続で販売数量が前年比2ケタ増を記録しているという。
今回の数量限定商品は、定番の「ディープブレンド」にアレンジを加えたブレンドだ。二瓶晋氏がブレンディングでこだわったポイントについて説明してくれた。
「設計の目標は、心地よいビターな余韻がいつまでも続くウイスキー。そこで「ブラックニッカ ディープブレンド」をベースに、新樽で10年以上長期熟成させた余市のヘビーピートモルト原酒や宮城峡のカフェグレーン原酒をブレンドしています。ピート香を際立たせるだけでなく、カフェグレーン原酒のやわらかな甘さでバランスを整えました。新樽の甘さはピートとは違う個性を表現してくれるので、より重層的な味わいが作り上げられるのです」
実際にオンザロックで味わってみると、ウッディな新樽の香りとやわらかなピート香が印象的だ。心地よい甘さとコクのある味わいが調和し、香ばしく豊かなピートの余韻が楽しめる。氷が溶けるに従って味わいが変化していくのも、長い夜のお伴にぴったりの特性だ。
ビターな余韻、やわらかな燻香、心地よい潮風。黒色のラベルの中央には、青みがかった月と船影のイラストが配されている。夜の海に漕ぎ出しながら、ページを繰る喜びは格別である。
ウイスキーって、おもしろい。ブラックニッカの歴史、商品、キャンペーンなどの詳細がわかるオフィシャルサイトはこちらから。