新基軸のブレンデッドウイスキー「ニッカ フロンティア」が今秋発売
文:WMJ
創業90周年の限定商品「ザ・ニッカ ナインディケイズ」を発売したばかりのニッカウヰスキーが、今秋からまったく新しい銘柄のウイスキーを発売するという。ウイスキーの通年商品としては、「ニッカ セッション」以来4年ぶりの新顔になる。
その発表会が発売日から3ヶ月も前倒しで開催されたのは、ニッカの創業月である7月に合わせたから。場所はニッカウヰスキーの原点ともいえる北海道の余市だ。
注目の新銘柄「ニッカ フロンティア」は、プレミアムカテゴリーのブレンデッドウイスキーだ。日本のウイスキー史を切り拓いた竹鶴政孝が、ニッカ創業時に抱いていた夢や希望を思い起こさせる名称である。
ブレンドの核となるキーモルトは、創業の地である余市蒸溜所のヘビーピートモルト原酒。ブレンデッドながらモルト原酒の比率が51%以上とかなり高い。冷却ろ過をせず、豊かな香味と複雑な味わいを細部まで表現しているのだという。
ここまでこだわったブレンデッドウイスキーとは、いかにもニッカらしい真面目なアプローチである。初めてのテイスティングをナビゲートしてくれるのは、担当ブレンダーの渡邊健太郎氏だ。まずはストレートで味わってみる。
「グラスから樽由来の熟成香とマーマレードを思わせるフルーツ香が立ち上がってきます」
しっかりとしたモルト香と心地良いスモーク香は、いかにもニッカウヰスキーといった印象だ。口に含むと、48%のアルコール度数を感じさせないほど滑らかな舌触り。スムースでコクのある飲み口に、熟した果実の甘みが広がっていく。
「ピートのほろ苦さが全体を引き締め、柔らかなオーク材のニュアンスを伴い、甘い余韻が続きます。さまざまな熟成樽を組み合わせ、数十種類の原酒で香味を構成しました」
ブレンデッドウイスキーであることを忘れてしまうほど、複雑なモルト原酒の香味が力強い。このプレミアム感は、既存ブランドと明らかに一線を画している。
「普段モルトウイスキーを楽しまれている愛好家の方にも、これからウイスキーの魅力を深く知りたい方にもおすすめできます。より幅広いファンに楽しんでいただける処方を心がけました」
プレミアムな味わいをフロートハイボールで楽しむ
この「ニッカ フロンティア」にぴったりの飲み方として、坂本英一氏(グローバル事業戦略部)が「フロートハイボール」を提案してくれた。氷を満たした300mlのグラスにソーダを8分目まで注ぎ、マドラーを伝わせるようにしてウイスキー約25mlをゆっくりと重ねる。透明なソーダの上に琥珀色のウイスキーが浮かび、見た目にも美しいグラデーションができる。
グラスから一口飲むと、まずは本格的なウイスキーの香味が余す所なく味わえる。オンザロックと同等の濃厚さから、爽やかなハイボールまで、マドラーでかき混ぜれば濃度の調整も自在だ。均一に混ぜた後のハイボールにも、華やかな香味は鮮烈に残っている。
坂本氏いわく、この「フロートハイボール」は「ニッカ フロンティア」のシグネチャードリンクと位置付けられる。本格的なウイスキーの味わいが、1杯で重層的に体験できるアイデアだ。ウイスキーバーで頼んでみてもいいし、普段の家呑みでも手軽に実践できるのが嬉しい。
ニッカウヰスキーの爲定一智社長によると、「ニッカ フロンティア」はこれからプレミアムカテゴリーの中核ブランドを担うことになる。容量500mlで税込2,200円という値付けも、クオリティを考えればお手頃だ。新世代のウイスキーファンが増えている国内市場で、新しいニーズに合致した銘柄といえるだろう。
創業90周年を迎えたニッカウヰスキーが、余市で原点に回帰して新しい一歩を踏み出す。ブレンデッドの新機軸となる「ニッカ フロンティア」は、高品質な国産ウイスキーの魅力をいっそう身近に感じさせてくれるはずだ。発売開始の10月1日が待ち遠しい。
生きるを愉しむウイスキー。創業90周年を迎えたニッカウヰスキーの公式ウェブサイトはこちらから。