133号 テイスティングコメント【前半/全2回】

April 8, 2016


from Issue 133

テイスティング:クリス・グッドラム、ジョエル・ハリスン


世界のウイスキー業界を代表する2人の評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってRecommendedもしくは Editors Choice が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ジョン・E・フィッツジェラルド ベリースペシャルリザーブ    45.0%

  • 蒸溜所名: ヘブンヒル
  • 地域: ケンタッキー
  • 価格帯: -181
  • 入手可能場所: アメリカ

クリス・グッドラムSCORE9.6

香り
複雑で濃厚。ツンとくる黒糖蜜、スピリッツのキレ味、旺盛なスパイス、黒いブルーンなどのフルーツを思わせるアルマニャックのようなランシオ香。ピリリとした柑橘、ダークチョコレート、コーヒー、粉っぽいスミレのような匂い、そして分厚いがお行儀のいいオーク香。
驚くほど軽やかでエレガント。この上なくジューシーで、分厚く、レーズンのように熟成したアルマニャック的なフルーツ風味。非常にみずみずしく、革、タバコ、スモーク、スミレなどの風味がある。わずかにドライなダークチョコレートのタンニンが舌の中央を突き抜ける。
フィニッシュ
ハーブやマールを感じさせる濃厚な風味が旺盛。涙が出そうなほど鋭く苦いチョコレートもある。糖蜜の風味と、抑制されたオーク風味がバランスをとっている。
コメント
怪物的だがエレガント。素晴らしく複雑。カスクストレングスでは、いったいどんな感じなのだろうか。

ジョエル・ハリスンSCORE9.1

香り
豊満な、肉のような匂い。だがジューシーな赤いベリー系フルーツの香りもある。プラムや料理用リンゴと一緒に煮た鹿肉のような感じ。素晴らしく洗練されたウイスキーづくり。
舌で感じる美味はほどよくドライ。カスクの影響は取り入れているものの、元々の風味のエネルギーは失っていない。ゆっくり飲んでもいいし、カクテルにも向いている。万能のフレーバー。
フィニッシュ
魅惑的なフィニッシュ。ほとんどサゼラックのカクテルと同じような後味。八角、チェリー、甘い砂糖の風味を残す。
コメント
このスパイシーなオーク風味が気に入った。ほんの少しカスクでの熟成期間が長かったらドライすぎる結果になったであろうが、このウイスキーは豊満で、力強く、堂々たる風格だ。



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