176号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

August 12, 2021

from Issue 176

テイスティング:フィービー・カルバー、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ポールジョン カスクNo.8566    59.5%

  • 蒸溜所名: ジョン蒸溜所
  • 地域: インド
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 限定品

フィービー・カルバーSCORE9.0

香り
ペパーミントクリーム、ライムの皮と白ワインビネガーの融合、クリーミーなバターたっぷりのファッジ、ホオズキ、粉砂糖。泳いだ後の肌の匂い。
穏やかな旨味。ハチミツでローストしたハム、シロップ漬けのイチジク、カシス、バターたっぷりのファッジの風味が強まる。樹脂を思わせるスパイシーな味わい。クローブとショウガを入れたシロップの味がかすかにする。
フィニッシュ
シロップ漬けのイチジク風味がいつまでも続き、甘いシロップ漬けのショウガ風味もする。余韻の長さはミディアムで、穏やかなフィニッシュ。
コメント
これはすごい。このウイスキーを形容するとき、ネガティブな言葉はひとつも思い浮かばない。風味は複雑で、まろやかに仕上げられている。

クリストファー・コーツSCORE8.6

香り
発酵中のパイナップルとライムのピクルス、スペアミント味の歯磨き粉、ギリシャヨーグルト、ブラッドオレンジ。酸味の強いチェリー、モモのシロップ漬け、ショウガの砂糖漬け、レモンメレンゲパイ。
完璧なまでに熟し切ったマンゴー。甘酢あんかけ、熟れたパイナップル、ハニーコム、バターショートブレッド。
フィニッシュ
うっとりするほどクリーミー。甘酸っぱい後味がゆっくりと消え失せていく。
コメント
何ひとつ変える必要がないほど完成度の高いウイスキー。



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