199号 テイスティングコメント 【後半/全2回】

June 7, 2024

from Issue 199

テイスティング:ベサニー・ブラウン、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ニコルズ&パークス スプリングバンク 25年  25年  49.1%

  • 蒸溜所名: スプリングバンク蒸溜所
  • 地域: キャンベルタウン
  • 価格帯: £181〜
  • 入手可能場所: 全世界

ベサニー・ブラウンSCORE8.6

香り
ほのかなチョークの匂い。かすかにペコリーノチーズ。パラフィン加工のジャケットや、エンジンオイルのような匂い。ライ麦のクラッカー、グリーンオリーブ、パセリオイル、ヨードを感じさせる穏やかなピート香。レモン、リンゴ、パン粉のようなモルト香。
口当たりはミディアムボディからフルボディボディ。フレッシュなリンゴ、洋ナシ、ダムソンのような味。味覚でもペコリーノチーズの印象は引き続き感じられ、オーツ麦のケーキとイチジクのジャム。ペッパーコーンとナツメグ。ポレンタケーキにオリーブオイルが少し。
フィニッシュ
余韻は長い。とても穏やかなピート香に、粗挽きのブラックペッパーとティーローフを思わせる後味。
コメント
キャンベルタウンの特徴的なスタイルを見事に表現したウイスキー。ややダーティーな印象もあるが、とても味わい深い。

クリストファー・コーツSCORE8.6

香り
ブラックベリー味のキャンディ、ライチ、ラズベリージャムを塗ったフルーツスコーン、ドーナツピーチ(平たいモモ)。タラゴンとホワイトセージを中心にしたミックスハーブ。パチョリとジャスミンを思わせるお香のような芳香。その底には石炭の粉や機械油のように工業的な匂いも潜んでいる。トフィー、ミルクチョコレート、ローストピーナッツなどの香りが下支えしている。
口当たりはミディアムボディ。酸味のあるパイナップル、焦がしたローズマリー、薬用リップクリームのようなワックス感。トフィー、カカオニブ、ディジェスティフ(食後酒)のような苦いハーブ風味。メンソールの感触に、レーズン、イチジク、デーツなどの風味が加わる。塩漬けにしたブランチドアーモンドを思わせる繊細な味。
フィニッシュ
余韻は長い。ハーブ香とナッツ香を感じさせる後味。
コメント
複雑で完璧なバランスを感じさせる伝統のウイスキー。熟成年が長くても、まったく活気を失っていない。



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