WWA2015 「竹鶴17年 ピュアモルト」評

April 13, 2015

WWA2015にて「ワールドベスト・ブレンデッドモルト」を受賞した「竹鶴17年 ピュアモルト」。その評価と「竹鶴」ブランドの現在を見てみよう。

世界で最も優れたブレンデッドモルトウイスキーに贈られる賞、「ワールドベスト・ブレンデッドモルト」竹鶴ブランドとしては過去7回、この栄誉ある賞を受賞している。これは、WWA史上例を見ない快挙である。そして今回の「竹鶴17年 ピュアモルト」は2年連続受賞。折しも、NHK連続テレビ小説「マッサン」 のクライマックスに差し掛かるタイミングでの受賞に、「マッサンのウイスキーが世界最高峰に」というニュースが全国を駆け巡った。

この「竹鶴17年 ピュアモルト」の英国審査員のテイスティングコメントは以下の通り。

【テイスティングコメント】

トーストした甘いオークの香りとともに、オイリーな香りが現れる。カシスなどの華やかなアロマ。モルティな香りがはっきりとしてくるとオークは大鋸屑となり、熟成感のある穏やかさに包まれる。時間が経つとスパイスがゆっくりとやってくる。
味わいはシトラス、熟成した蜂蜜、柔らかいスモークとスパイシーさを伴って、優しく柔らかい。一方で、力強さとピーティーさもはっきりと感じられる。全てのアロマが開くのには少々時間を要する。
フィニッシュは長く、スパイシーでピーティー。スモークチーズや魚のマリネなどと一緒に楽しみたい、美味なるウイスキー。

今回の受賞について、ニッカウヰスキー株式会社チーフブレンダー 佐久間正氏は受賞の喜びを
「『竹鶴17年ピュアモルト』として3度目、『竹鶴』ブランドとして7度目のワールド・ベストを受賞したことは、私たちのウイスキーづくりが高い評価をいただいている証であり、この上なくうれしいことです。創業者竹鶴政孝から受け継ぐ『品質第一主義』と『パイオニア精神』 をバックボーンとして、これからもお客様に満足いただける商品をつくり続け、皆様に『やすらぎ』と『たのしさ』を提供してまいります。日頃からニッカウヰスキーの商品をご愛飲いただいているお客様に心より感謝申し上げるとともに、今後もニッカウヰスキーを応援していただければこれ以上の喜びはありません」
と語っている。

この発表を受ける以前から、昨年大きな話題を巻き起こした「創業80周年」を記念した商品の発売やキャンペーンに、「マッサン」放映による効果が加わり、ニッカウヰスキーは驚異的な伸びを見せている。
国産ウイスキーの販売数量は2014年の年間で前年比124 %、「竹鶴」ブランドでは同193%…さらに2015年の1~2月では、国産ウイスキーは前年比160%、「竹鶴」に至っては384%という、同社の想定をもはるかに超えた実績を積み上げているそうだ。

この需要の急増に伴って、現在では柏工場のボトリングラインを増強門司工場にも新たに「竹鶴」ボトリング設備を設置するなどの対応が取られている。原酒のストックの問題ではなく、パッケージングが追い付かないという異例の事態だ。

今まさに、「日本人に本物の 美味しいウイスキーを飲んでもらいたい」そして「世界に認められるジャパニーズウイスキーを」という創業者 竹鶴政孝氏の願いがともに現実のものとなった。長い種蒔きの年月を経て、芽は伸び、花は咲き誇っている。しかしここで満足せず前進を続ける姿勢こそ、竹鶴氏から継承するニッカ魂ではなかろうか。
今後もニッカウヰスキーの快進撃から目が離せない。

カテゴリ: Archive, features, アワード, 最新記事