スコッチウイスキー「グレンドロナック トラディショナリーピーテッド」発売
11月4日に発売されたグレンドロナックの新商品は、シェリー樽熟成とスモーク香が融合したリッチな味わい。19世紀初頭から続くハイランドの伝統へオマージュを捧げたウイスキーだ。
文:WMJ
グレンドロナック蒸溜所は、1826年に創業されたスコットランド屈指の歴史を誇る蒸溜所。東ハイランドのフォルグ渓谷に位置し、創業当時からヨーロピアンオークのシェリー樽で熟成をおこなっている。辛口のオロロソと甘口のペドロヒメネスを組み合わせた絶妙なバランスは、シェリー樽による熟成のエキスパートとして日本のウイスキーファンにも愛されている。
蒸溜所には、創建当時から受け継がれた築200年近い建物も残っている。だが建物だけでなく、グレンドロナックはハイランドウイスキーの伝統に忠実なウイスキーづくりで知られている。深い色彩とリッチなフレーバーがグレンドロナックの大きな特徴だ。スピリッツはヘビータイプで力強く、シェリー樽で長期熟成しても樽の香味に負けない。ペドロヒメネス由来の甘く果実味のある風味と、オロロソ由来のドライでナッツのような香りの芳醇なフレーバーは創業以来のスタイルである。
このたび日本でも発売された「グレンドロナック トラディショナリーピーテッド」は、ノンピートが主体のグレンドロナックでは珍しくピートの効いたスモーキーな味わいが特徴だ。ペドロヒメネスとオロロソのシェリー樽熟成原酒を併用し、ポート樽での後熟も加えて複雑な香味を構築している。
このようなウイスキーをつくった動機は、19世紀初頭に生産されていたウイスキーへのオマージュだ。グレンドロナックは通常のラインナップに加えてピートの効いたウイスキーの原酒も準備し、数年前から徐々にリリースを開始してきた。今回のボトルはその最新作である。
独自の伝統手法で製麦したスモーキーな原酒を使用
商品名にある「トラディショナリー」という言葉は、グレンドロナック独自の伝統を暗に意味している。例えばスモーキーなウイスキーの代表格であるアイラモルトは、ほとんどが発芽した大麦を最初からピートの煙で燻している。だがグレンドロナックでは、ピートを製麦工程の終盤に加えるという独自のモルティング手法を伝統的に採用してきた。
これによってグレンドロナックのピート香は、土のようにあたたかな感触を内在させながら、リッチでエレガントなスピリッツに統合されていく。それがさらにペドロヒメネスシェリー、オロロソシェリー、ポートという3種類の酒精強化ワイン樽で熟成され、複雑な香味をいっそう深めるのだ。
注目の「グレンドロナック トラディショナリーピーテッド」をテイスティングしてみよう。香りは、トフィーや糖蜜のような印象が強い。ダークハニーと石炭でスモークされた大麦の匂いがある。口に含むと、焼いたオレンジと糖蜜の味。クローブやスモークした木苺のような感触がある。後味はリコリスと黒い果皮のフルーツ。そして土のようなあたたかさを備えたリッチな余韻がいつまでも続く。
約200年前に創業者ジェームズ・アラダイスが残した伝統的な製法を継承し、スコットランド北部のピートを使用したシングルモルトスコッチウイスキー。このピートの香味がグレンドロナックの濃厚なシェリー樽熟成の味わいをさらに引き立たせ、驚くほど奥深い仕上がりが満喫できる。秋が深まるこの季節に、ハイランドの伝統を踏まえたグレンドロナックの新境地をじっくりと味わってみたい。
グレンドロナックをはじめとする世界的なプレミアムスピリッツの商品情報を網羅したアサヒビールの公式ウェブサイトはこちらから。
WMJ PROMOTION