178号 テイスティングコメント 【前半/全2回】

October 13, 2021

from Issue 178

テイスティング:フィービー・カルバー、クリストファー・コーツ


世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。


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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。


推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

アルモリック ウイスキー ブルトン    51.7%

  • 蒸溜所名: ワレンゲム蒸溜所
  • 地域: フランス
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: コアレンジ

フィービー・カルバーSCORE8.0

香り
コニャックを想い起こさせる香りで、リンゴや洋ナシのような匂いが前面に出ている。樹液の多い木材、甘くてスモーキーなローストポーク、パイナップルのスライス、ジャスミンなどの印象。
甘いスモーキーなポークの味が、かなり明瞭なキャンプファイヤーのスモーク香を感じさせ、芝生のような土っぽい風味を強めてくる。洋ナシのフレッシュな風味が舞い戻り、すぐに爽やかなショウガのスパイスや緑の葉を思わせる匂いも立ち上がる。
フィニッシュ
土っぽい草木の香りが続く。余韻の長さはミディアム。
コメント
かなり辛味が強くなっていくが、香味の複雑さや口に含んだ時の変化がとても面白い。ゆっくり味わってみる価値があるウイスキー。

クリストファー・コーツSCORE8.5

香り
トロピカルフルーツサラダの匂いを濃縮した印象。ライチとハニーデューメロンに、ザボンや熟れすぎたパパイヤの香りも加わる。キウイフルーツと甘いモルト香に、白ゴマとバターたっぷりのクロワッサンやレモンカードの匂い。サルタナとミックスナッツの香りもある。
口当たりはミディアムボディ。最初は濃厚なフルーツ風味。バターたっぷりの風味が主張して、そこへ急速に増してきたピスタチオの風味が加わる。オレンジの皮をはじめとする柑橘のトップノートが風味のカドを取っている。かすかにローズウォーターのような感触。
フィニッシュ
余韻の長さはミディアム。かすかな辛味に、キュウリやセロリなどの青っぽい後味もある。
コメント
美しいまでに構築された複雑な香味のウイスキー。欠点のようなものは数えるほどしかない。



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