198号　テイスティングコメント　【後半／全2回】

April 29, 2024

from Issue 198

テイスティング:ベサニー・ブラウン、クリストファー・コーツ

世界のウイスキー業界を代表する評論家が、最近発売された多彩なカテゴリーのボトルを試飲して、詳細なテイスティングノートを作成した。今回紹介する中にも、きっとあなたを魅了する銘酒があるだろう。

※参考価格は主に英国で販売された実勢価格を表示しており、日本国内では為替の変動や入手経路によって価格が大幅に変わる場合がございます。あらかじめご了承いただき、あくまで目安としてご覧ください。

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Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ（製造年）違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended（銀賞）もしくは Gold Editors Choice（金賞）が毎号決定します。

※テイスティングの対象ボトルには、日本国内では入手ができない銘柄も含まれますのであらかじめご了承ください。なおテイスティングノートの内容は、あくまでテイスティングをした評論家の個人的な感想です。

ハウス・オブ・ヘーゼルウッドローランダー 45.9%

蒸溜所名:
地域: スコットランド
価格帯: £181〜
入手可能場所: 全世界

ベサニー・ブラウンSCORE8.5

香り: クローブ、オールスパイス、シナモンなどのウッディなスパイスが旺盛だ。干し草、タイム、ローストしたフェンネルなどののニュアンスもある。香ばしいバラとハイビスカスの香り。焼きたてのハチミツ入り全粒粉パン。甘いシェリーの香りが吹き抜ける。
味: 口当たりはミディアムボディからフルボディ。干し草を燻したような、わずかにスモーキーな草の香り。レモンと大麦入りのスカッシュ、ローストしたフェンネルなどの風味もある。キャラメルとショートブレッド。紅茶、ハチミツ、スパイスの香り。レーズン入りロールパンとレモンの皮。
フィニッシュ: 余韻の長さはミディアム。熟れた洋ナシ、ネクタリン、黒糖などの後味へと変化しながら消えてゆく。
コメント: 心地よい複雑さを備えたウイスキー。ハーブ香と甘味のバランスに優れている。

クリストファー・コーツSCORE8.7

香り: 鉛筆の削りくず、松葉、革製品、乾燥アンズ。ヒースの花のハチミツ、杉材、フラップジャック。パラフィン加工のジャケット、ブラックベリージャム。
味: 口当たりはミディアムボディからフルボディボディ。ローズマリー、ブラックチェリー、ほのかなスモークなどの繊細な風味。砂糖を入れたセイロンティー、レーズン、乾燥イチジク。砂糖漬けにした柑橘類の皮。本物のハニカム（蜜蜂の巣）のようなワックス状の質感があり、かすかにチョークのような粉っぽさも感じさせる。
フィニッシュ: 余韻の長さはミディアムから長め。トルコ菓子（ロクム）のようなバラの香りがかすかに漂う。
コメント: 複雑な味わいでバランスに優れた熟成感のあるブレンデッドウイスキー。