ビーフィーターのコンペティションで日本代表のバーテンダーが決定
ロンドンドライジンの代表銘柄であるビーフィーターを使用したコンペティションで、日本代表となるバーテンダーとカクテルが決定した。ロンドンの世界大会へ駒を進めた藤倉正法さんが、喜びと抱負を語る。
文:WMJ
「ビーフィーター グローバル バーテンダー コンペティション」は、ロンドンドライジンの代表銘柄であるビーフィーターを使用して、新しいカクテルを表現するコンペティション。カクテルには欠かせない定番のスピリッツということもあって、トップクラスのバーテンダーたちが技量とアイデアを競うハイレベルな大会だ。
2016年11月27に東京の寺田倉庫で開催された「2016 ビーフィーター グローバル バーテンダー コンペティション 日本ファイナル」には、書類選考を勝ち抜いた8名のファイナリストたちが集結。それぞれのバーテンダーがユニークな作品を披露し、ネーミング、見栄え、独創性、将来性などが厳正に審査された。
ファイナリストの顔ぶれは、南木浩史(パークホテル東京 Bar The Society)、野村空人(Fuglen Tokyo)、浅野陽亮(ザ リッツカールトン 京都 ザ バー)、新井洋史(BAR 猫又屋)、福井昌和(ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド)、藤倉正法(CAFE PDC)、杉浦聡(PAVILION)、吉原泰俊(アンダーズ東京 ルーフトップバー)の各氏(試技順)。審査の結果、見事優勝に輝いたのは、埼玉県熊谷市の「CAFE PDC」でバーテンダーを務める藤倉正法(ふじくら・まさのり)さんである。
コンペティションを振り返って、藤倉さんは語る。
「ジンはもともと大好きなお酒で、バーでもジンベースのカクテルをよく楽しんでいます。特にビーフィーターは柑橘の香りが爽やかなので、ジントニックにしても美味しいベースになりますね。コンペティションで優勝できるとは思っていなかったので、結果には非常に驚きました。師匠である新井洋史さん(BAR 猫又屋)にも感謝しています」
映画にインスパイアされた独創的なカクテル
2016年MIXLDNの大会テーマは、「INSPIRED BY LONDON DIRECTED BY YOU」。ベースに「ビーフィーター24」を使用し、ロンドンにまつわる「映画」を表現したオリジナルカクテルを創作するという課題が与えられた。
優勝者の藤倉さんが披露したカクテルの名前は「English Temptation」。題材に選んだ映画は、ウッディ・アレン監督『マッチポイント』である。スカーレット・ヨハンソン演じるアメリカ人女優が、主人公(ジョナサン・リース=マイヤーズ)を誘惑するシーンに触発され、「ホワイトレディ」と「テンプテーション」をイメージしたカクテルを思いついた。ホワイトレディ風のショートカクテルに、別皿で洋菓子のようなワインフォームが添えられているのがユニークである。
「飲む人を誘惑する華やかな香りを加えたかったのですが、ホワイトレディらしいカクテルの色を変える訳にはいかない。そこで、エスプーマでワインフォームを作って添えることにしたんです」
カクテルの味は、通常のホワイトレディよりもハーブやスパイスが効いていて刺激的だ。追いかけるように別添えのワインフォームを口に入れると、香水を思わせるローズウォーターのアロマが鼻腔に広がる。まさしく、ホワイトレディーの誘惑。色彩、フレーバー、食感を対比させるアイデアも高く評価された。
世界大会は、2017年2月にロンドンで開催される。ジン蒸溜で世界随一の実績を誇るデズモンド・ペイン氏が予選から審査に加わっている。
オーストラリアに留学経験があるものの、ロンドンは初めてという藤倉さんは「ロンドンのカルチャーを楽しみながら、最先端のバーシーンを学んできたい」と意気込みを語ってくれた。日本で生まれたカクテルがジンの本場ロンドンを制することができるのか、世界大会の行方が楽しみだ。
English Temptation |
材料: ビーフィーター24 50ml、自家製赤玉スイートワインフォーム 約30ml、ヘルメスホワイトキュラソー インフューズドヴァーベナ 25ml、フレッシュレモンジュース 25ml、自家製キャラウェイビターズ 3ダッシュ 作り方: |
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