「2016 ビームサントリー ザ・カクテルアワード」受賞作品が決定
ステージにみなぎる緊張感。シェーカーから鮮やかなドリンクが注がれると、会場からは感嘆の声も漏れる。10月12日、グランドハイアット東京で国内最大規模のコンペティション「ビームサントリー ザ・カクテルアワード」のファイナル(最終選考会)が開催された。応募約1,700作品の頂点に立ったカクテルとは?
文:WMJ
「2016 ビームサントリー ザ・カクテルアワード」は、カクテルの創造性と技術を競い、その年の最高峰のカクテルである「カクテルアワード」を選出するプロ対象のコンペティションだ。カクテルを貴重な洋酒文化のひとつと位置づけるサントリーが、さらなる育成と成長を目指して1994年から毎年欠かさず開催している。
23回目の開催となる今回の課題は、プレミアムバーボンウイスキー「メーカーズマーク」「メーカーズマーク 46」、ブルーアガベを100%使用した「テキーラ サウザ ブルー」「テキーラ サウザ ブルー レポサド」、フランス産フルーツリキュールブランド「ルジェ」14種のいずれかを20ml以上使用したカクテル。8月中旬の1stステージ(書類審査)への応募総数は、約1,700作品(過去10年の中では1番の応募数)にものぼった。9月6日の2ndステージ(応募者本人の創作による試作審査)を経て、12作品(「ショートカクテル部門」6作品と「ロングカクテル部門」6作品)がファイナル(最終選考会)への階段を登ってきた。
ファイナルでは、大勢の来場者が見守るなかでカクテルの実作パフォーマンスがおこなわれる。日本のバー文化を代表する審査員たちが、「ネーミング」「味」「見栄え」「独創性」「将来性」「技術」「プレゼンテーション」の7つを基準に厳しく審査される。
12人がステージでカクテルを作る様子を、観客と審査員が静かに見守る。シェイカーが鳴り響き、グラスに注ぐ瞬間は会場の視線がバーテンダーの手元に注がれる。この日本最高峰を競う妙技を、毎年楽しみにしている人は多いはずだ。全作品の試作とプレゼンテーションが終わると、得点の集計と審査員の協議を経て、各部門の優秀賞1作品ずつ、最優秀賞1作品ずつを選出。そして最優秀賞2作品のうち1作品が「カクテルアワード2016」としてアナウンスされた。
オーセンティックな技術に個性が輝く
「カクタスフラワーとは、日本語でサボテンの意味。花言葉は『燃える心』です。情熱的で色鮮やかな南国の花をイメージしました。このような賞をいただけたのも、先輩方や、お世話になっているお客様、家族に支えられたから。これからもカクテルの美味しさを発信していきたいと思います」
初めて審査員として参加した雑誌「GOETHE(ゲーテ)」の舘野晴彦統括編集長は、審査が最後まで激戦に及んだことを壇上で明かした。
「受賞者の決定は非常に僅差で、賞に漏れた作品もすべてがハイレベルでした。ここまで勝ち残るためにはオーセンティックである必要があり、同時に賞を手にするには抜きん出た個性も必要。松下さんの作品は、まさに王道を行きながらも非常に個性的です。誰が飲んでも美味しいし、それでいて自分だけのこだわりが表現された奇跡的な味わいでした」
松下知寛さんには「ケンタッキー・ニューヨーク カクテルの旅」と賞金50万円が授与されるほか、1年間にわたる「サントリー カクテル アンバサダー」としての活動が待っている。なお松下さんの作品はロングカクテル部門の最優秀賞も兼ね、ショートカクテル部門の最優秀賞は稲葉広道さん(新潟県「Bar eden Hall」勤務)の「花笑み(ハナエミ)」、ショートカクテル部門の優秀賞は土田裕司さん(新潟県「Shot Bar Angie」勤務)の「マリーゴールド」、ロングカクテル部門の優秀賞は名取麻子さん(北海道「札幌プリンスホテル スカイラウンジ Top of PRINCE」勤務)の「Sweet Garden(スイート ガーデン)」がそれぞれ受賞した。
このバーテンダー界のビッグイベントにあわせ、10月1日(土)~10月31日(月)は日本全国で「COCKTAIL WEEK」が開催されている。期間中は、全国の対象店舗で各店のおすすめカクテルが楽しめるはず。新しい味わいを探しに、近所の名店へ出掛けてみてはいかがだろうか。
「COCKTAIL WEEK」の詳細情報はこちらから。
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